今から10年ほど前、美容大国・韓国の化粧品はそれまで人気だった日本の化粧品に取って代わり、最近まで中国で高い人気を集めてきた。しかし、その人気も下火になってきているという。香港メディアの南華早報は17日、「韓国の化粧品はなぜ中国で人気を失ったのか」と題する記事を掲載した。

 記事によると、中国は化粧品分野で世界第2位の市場規模を誇り、韓国化粧品メーカーにとって重要な輸出相手国になってきたものの、2018年1月から9月までの韓国化粧品の中国への輸出は「わずか20%増」に過ぎなかったと指摘。過去5年間は平均66%増で推移してきたことからすると、大きな減速になるようだ。

 この理由について記事は、THAAD問題による「韓流禁止令」もあるが、それだけではないと分析。むしろ、中国国内の化粧品メーカーが力を付けたことで、韓国製品から国内メーカーの化粧品に興味が移ってきたことが主な要因だと主張した。中国ブランドへの支持はかなりのもので、世界的なブランドのロレアルや、ジョンソンエンドジョンソンに引けを取らないほどの人気を集めているという。

 また、中国ブランドの人気は、コストパフォーマンスという競争力のみならず、「国民感情」からも支持されていると紹介。自国の文化に対する自尊心や民族主義が後押ししており、中国ブランドは消費者の共鳴を呼びやすいのだという。

 さらに、中国人消費者が韓国メークの基準に嫌気がさすようになったことも関係していると分析した。韓国の化粧品のモデルは「似たり寄ったりの見た目」で飽きてしまい、個性を求めるようになってきた中国人消費者を満足させられなくなっているようだ。

 中国の化粧品市場は今も成長し続けており、将来性のある巨大市場となっている。記事は、韓国のブームが去り、中国国内のブランドに人気が集まっていると伝えているが、日本の化粧品も根強い人気を保っている。韓国ブームが一段落し、日中関係が比較的安定している今、日本の化粧品メーカーにとって今はチャンスとなっているといえるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

韓国の化粧品が中国で失速・・・「中国人消費者を満足させられなくなっている」=香港メディア