0-4と大敗したチリ戦で最もチャンスに絡んだ上田 決定的を逃して本人も悔しさ露わ
森保一監督率いる日本代表は、現地時間17日のコパ・アメリカ(南米選手権)グループリーグ初戦でチリに0-4と大敗した。この日A代表デビューを飾ったFW上田綺世(法政大)は再三のゴールチャンスを逃して批判を浴びたが、決定機に至るまでの質の高い動き出しはむしろ評価に値すると言えるだろう。
決めるべきチャンスだったという事実は揺るがない。チリ戦で日本は4-2-3-1システムを採用し、1トップで先発した上田は何度も決定機を迎えたが、そのいずれも生かせないままノーゴールに終わった。本人も悔しさを噛みしめている。
「前回、南米パラグアイに来た時はシュートを1本も打てずに終わった。そういう意味ではスペースを見つけてできるようになった。ただ、それができても決められないと意味がない」
大会2連覇中の南米王者チリを相手に、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)、DF原輝綺(サガン鳥栖)と杉岡大暉(湘南ベルマーレ)、MF中山雄太(PECズヴォレ)、FW前田大然(松本山雅FC)もスタメンでA代表デビュー。急造に近いチームながら序盤は互角の攻防を繰り広げた。
結果的に4失点を喫したゲームでクローズアップされているのが、日本がチリのゴールに迫った場面。最もチャンスに絡んだのが上田だった。
先制点を許した直後の同44分、MF柴崎岳(ヘタフェ)の絶妙なパスに抜け出した上田が相手GKをかわしてシュートを放ったが、これは枠外へ飛んだ。2失点目を献上した直後の後半12分には、柴崎が右サイドから絶妙なクロスを供給。ファーサイドに走りこんだ上田が抜け出してシュートを放ったが、枠を捉えきれなかった。さらに後半24分、途中出場のMF安部裕葵(鹿島アントラーズ)が左サイドを突破して低いクロスを送り、上田がファーサイドに飛び込むもわずかに合わずに好機を逃している。
際立った動き出しの質 「日本人よりやりづらくは感じなかった」と本人も一定の手応え
3度のチャンスを逃した上田だが、いずれも動き出しの質が際立ち、フリーになっていた点は特筆すべきところだ。「僕の武器は背後で、人と当たることではないので、そこがどうかなと探りながらやった。ルーズな部分があるし、日本人よりやりづらくは感じなかった」と本人も一定の手応えをつかんだ。
ゴールを決めていれば、試合の潮目が変わった可能性は確かにある。それでも相手守備陣と駆け引きを繰り返しながら、巧みにボールを呼び込んでシュートを放つなど、自らのストロングポイントを発揮した。
後半34分、FW岡崎慎司(レスター・シティ)と交代でピッチを退いた上田は、「力不足で片付けるつもりはない。全力を尽くしたうえでなった結果なので、どうしたらいいかを考えながらこの遠征中に解決していきたい」と力を込めている。
森保監督は若い選手たちに貴重な経験を積ませ、成長を促したいと語っていたが、まさにその通りの展開となりそうだ。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)
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