6月12日北海道日本ハムファイターズ注目の新人・吉田輝星投手がプロ1軍初登板初先発を果たした。その結果はなんと、セ・リーグ3連覇中の広島カープ相手に5回を投げ被安打4、4奪三振、1失点という見事な投球内容で堂々のプロ1勝を飾った。昨夏の甲子園を沸かせた“平成最後の怪物”ぶりを発揮したわけだ。

 そこで今回は“平成の怪物”松坂大輔以降に高卒新人ドラフト1位で入団した投手たちのデビュー戦を振り返ってみようと思う。

松坂大輔西武ライオンズ)初回に155キロをマークし、衝撃のデビュー

 1998年ドラフト西武ライオンズを含む日本ハムファイターズ横浜ベイスターズの3球団が指名順1位で競合。抽選の結果、西武が交渉権を獲得した。その新人1年目の’99年4月7日、敵地・東京ドームでの日ハム戦でプロ登板初先発を果たした。初回に155キロをマークし、日ハム打線の核であった片岡篤史から豪快な空振り三振を奪うなど、6回1死まで無安打ピッチングを展開。

 最終的には8回を投げ、被安打5、9奪三振、2失点という見事な投球内容で、勝利投手となった。結果、この年は16勝5敗、奪三振151防御率2.60という好成績を収めて高卒新人の投手としては33年ぶりとなる新人王、そして45年ぶりとなる最多勝を獲得している。

ダルビッシュ有北海道日本ハムファイターズ)8回を無失点投球し、堂々の白星デビュー




 2004年ドラフト1巡目で北海道日本ハムファイターズに入団し、プロ初登板となったのは翌’05年6月15日札幌ドームでの広島戦。なんと8回まで無失点に抑える快投を見せた。味方打線も3番・小笠原道大の2ランなどで計8得点。

 援護を受けたダルビッシュ最終回新井貴浩野村謙二郎にソロホームラン2発を献上し、降板したものの8回0/3を投げ被安打9、3奪三振、与四死球3、自責点2で見事に初勝利を飾った。結果的に新人ながらこの年はシーズン5勝を挙げている。

田中将大東北楽天ゴールデンイーグルス)2回もたずの6失点! 屈辱のKOデビュー




 2006年ドラフト東北楽天ゴールデンイーグルスに1巡目指名で入団した田中将大は翌’07年の3月29日福岡ソフトバンク戦でプロ初登板初先発。だが、初回にいきなり相手主砲の4番・松中信彦に先制打となるタイムリー二塁打を浴びるなど、1回2/3を投げて打者12人に対し被安打6、3奪三振、与四死球1、自責点6。散々なKOデビューとなってしまった。

 試合も7-9で楽天がサヨナラ負けを喫したが、4回に一時、チームが同点に追いついているので田中に黒星はつかなかった。その後、4試合目の登板となった4月18日ソフトバンク戦で13奪三振2失点で完投。リベンジを果たすとともに見事にプロ初勝利を飾った。最終的に11勝7敗,防御率3.82、196奪三振という好成績で新人王を獲得している。

前田健太広島カープ)5回3失点の好投も白星ならず



 2006年ドラフト広島東洋カープに単独1位指名され、入団。翌年の新人1年目に一軍登板は果たせなかったが、2年目の’08年4月5日横浜ベイスターズ戦で待望のプロ初登板初先発。2回表に吉村裕基にソロ本塁打を喫したものの5回を投げ被安打5、1奪三振、与四死球3、自責点3と好投。勝ち星こそつかなかったものの、チームは延長10回、サヨナラ勝ちを収めている。最終的にこのシーズンは9勝2敗、防御利率3.20、奪三振55という好成績であった。

菊池雄星埼玉西武ライオンズ)2回もたずの6失点、屈辱のKOデビュー

 2009年ドラフトで6球団から1巡目指名され、競合のすえに埼玉西武ライオンズに入団したものの、利き腕の左肩痛の発症でプロ1年目での一軍登板はゼロ。’11年6月12日阪神タイガース戦でようやくプロ初登板初先発を果たした。だが、結果は2回1/3を投げ、被安打6、1奪三振、与四死球1、4失点で降板。

 試合はその後、3-4とリードされていた西武が5回裏に逆転し、11-5で大勝。菊池に勝ち負けはつかなかったが、悔しいKOデビューとなった。結局、この年は4勝1敗、奪三振24、防御率4.14という数字を残してシーズンが終了。

藤浪晋太郎阪神タイガース)好投も、敗戦投手に

 2012年ドラフト阪神タイガースに1巡目指名され入団。翌’13年3月31日の開幕3戦目で早くもプロ初登板初先発を果たした。敵地・神宮球場東京ヤクルトスワローズ相手に6回を投げ被安打3、7奪三振、与四死球4、2失点。自責点は雄平に打たれたソロホームランの1点だけという好投も打線が沈黙し、惜しくも敗戦投手に。

 それでも高卒新人投手が開幕3戦目で先発登板したのは、ドラフト制導入以降は松坂大輔涌井秀章(いずれも当時、西武)の開幕4戦目を抜き、史上最速デビューとなった。最終的にこの年は新人ながら10勝6敗、奪三振126防御率2.75という好成績で新人賞は逃したものの、それに準ずる新人特別賞を受賞した。

大谷翔平北海道日本ハムファイターズ)最速157キロを記録するも6回2失点で勝ち負けつかず

 2012年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズへ入団した大谷翔平。その当時から“二刀流”を掲げていたこともあり、プロ1年目の3月29日埼玉西武ライオンズ戦(西武ドーム)でひと足先に打者デビュー。8番・ライトで先発出場し、5回表にプロ初安打となる二塁打を放つなど4打数2安打1打点2三振と活躍。一方、投手としては5月23日札幌ドームで行われた東京ヤクルトスワローズ戦が初先発となった。だが、最速157キロをマークするも、3者凡退で終わる回がほとんどなく、5回を投げて被安打6、奪三振2、与四死球2、自責点2というほろ苦デビューとなった。

 なお、試合は1-3とリードされた8回裏に日ハムの4番・中田翔が同点2ランを放って大谷の黒星を消している。試合はそのまま延長12回、3-3のまま引き分けに。プロ1年目の大谷は打者として打率2割3分8厘、3本塁打、20打点。投手としては3勝0敗、防御率4.23を記録した。

 以上,7人の投手のデビュー戦を振り返ってみた。松坂やダルビッシュのように衝撃のデビューを飾ったものもいれば、藤浪のように好投しながら敗戦投手になったもの、また田中や菊池のように屈辱のKOデビューとなったものもいた。だが、それでも以後の活躍ぶりは誰もが知るところ。華々しいデビューを飾った吉田だが、これからその真価が問われていく。まずはプロ2戦目の登板が予定されている23日の中日ドラゴンズ戦のピッチングに注目したい。<文/上杉純也>

道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔(扶桑社)