中国では高等教育を受ける人の割合が増えており、ますます教育が重視されているが、それに反して教師という職業は人気がなくなっているようだ。中国メディアの今日頭条は18日、日本と中国とでは教師の待遇に違いがあると比較する記事を掲載した。中国と違って日本の教師には、「高い地位と収入がある」という。

 記事の中国人筆者は、日本の小学校を訪問して、教師の違いを切実に感じたようだ。校長自ら子どもたちの遊具を作り、ランドセルのカバーを準備し、運動場の整備を手掛けていたと紹介。清水寺では、子どもたちに解説したり、お土産などを買う子どもたちを近くで見守る教師を見かけて驚いたそうだ。日本の教師は知識を教えるだけではなく、子どもの育成に広く関わっていると言えるだろう。

 また、日本には「男性教師が多く」意外だったとも伝えている。筆者が参観した学校では、校長も教頭も担任の教師も男性で、授業は音楽以外のほとんどを男性教師が担当したと紹介。中国の小中学校では、男性教師が減少しており、7―8割が女性教師で、なかには教師の男女比率が1:10という学校もあると記事は紹介している。そのため、中国では男性教師が希少な存在となって「パンダ」化していると論じた。

 なぜ日中間で男性教師の割合がこれほど違うのだろうか。記事は、「社会的な地位に違いがある」と指摘。日本では小中学校の教師は「聖職」で「先生」と呼ばれ、人々から尊敬され収入も良くそれなりの待遇が受けられるのに対し、中国では「低収入で地位も低いのに責任が重く、閉鎖的な環境」のため、男性は一般的に教師になりたがらないのだと論じた。

 筆者の主張は多くの中国人の気持ちを代弁しているようだ。記事に対して、中国の教職の環境を嘆き、日本の環境を称賛するコメントが多く寄せられた。「教師は憎まれ役」と指摘している人も少なくなく、「収入が低くて大変な仕事なのに社会的には尊敬されない仕事だ」と気の毒がる人が多かった。ただ収入に関しては、日本と違い副業が認められているため、休みを利用して自宅で塾を開き儲けている教師も多いという指摘もあった。いずれにせよ、中国も本当の意味で教育を重視するならば、日本に習って教師の待遇と地位を改善する必要がありそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

わが国と違いすぎる! 日本の教師には「高い地位と安定した収入がある」=中国メディア