指定暴力団稲川会系の暴力団組員が関与した特殊詐欺事件の被害者4人が、暴力団対策法の「使用者責任」に基づいて、稲川会会長と組員ら4人に計約2600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6月21日、東京地裁であった。判決は使用者責任を認め、計約1500万円の支払いを命じた。

原告側弁護団によると、特殊詐欺の被害で、指定暴力団組長の責任を認めた判決は全国で2例目(1例目は5月23日の水戸地裁判決)。

原告代理人「画期的な判決だ」

原告は関東や中部地方に住む60代〜80代の女性4人。2014年9月〜10月ごろに被害にあい、250万〜400万円をだまし取られた。

息子を装い、「妊娠させてしまった女性の夫から示談金を請求されている。支払わないと裁判を起こされてしまうから一部でもいいから用意してくれないか」などと電話をかける手口だったという。

弁護団によると、判決は、特殊詐欺について、組員の多くが規制や取り締まりを回避して新たな資金獲得源を確保するべく、暴力団の威力を背景としておこなっている実態があると指摘。

今回の詐欺も組織的・計画的なもので、組員が加担し、暴力団の威力を背景に資金を獲得した活動にあたるとして、暴対法上の使用者責任を負うと判断した。

判決後に東京・霞が関の司法記者クラブであった会見で、村上寛弁護士は「特殊詐欺暴力団が密接に関与しているという実態を踏まえた、画期的な判決だ」と評価した。

特殊詐欺、暴力団トップに使用者責任 東京地裁、1500万円の賠償命じる