三好の2ゴールでリードを奪うもヒメネスの一撃で同点 良かった選手は…「多くいる」

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間20日に行われたコパ・アメリカ南米選手権)のグループリーグ第2戦でウルグアイ代表に2-2で引き分けた。A代表初先発となったMF三好康児(横浜F・マリノス)の活躍でFIFAランキング8位の強豪相手に健闘を見せたなか、ウルグアイの主力DFホセ・ヒメネス(アトレチコ・マドリード)は、“良かった日本のプレーヤー”に2ゴールのレフティーではなく、ある意外な選手の名前を挙げた。

 チリ戦から中2日、森保監督はウルグアイ戦でスタメン6人を変更し、4-2-3-1システムを継続採用。守護神にGK川島永嗣(ストラスブール)、右サイドバックにDF岩田智輝(大分トリニータ)、ボランチにMF板倉滉フローニンゲン)、2列目にMF安部裕葵(鹿島アントラーズ)と三好、1トップにFW岡崎慎司レスター)を起用して挑んだ。

 前半25分、MF柴崎岳(ヘタフェ)の絶妙なサイドチェンジから三好がカットインウルグアイDFディエゴ・ラクサール(ACミラン)の逆を突くと、ペナルティーエリア内で右足を一閃。豪快にネットを揺らして日本に先制点をもたらした。

 さらに1-1で迎えた後半14分、MF中島翔哉(アル・ドゥハイル)を起点に左サイドを切り崩してDF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)がクロス。GKフェルナンド・ムスレラ(ガラタサライ)が弾いたボールに三好が詰めて2ゴール目を奪う。その後に追いつかれて2-2のドローに終わったが、強豪ウルグアイから貴重な勝ち点1を奪った。

 ウルグアイからすれば、FIFAランキング28位と“格下”の日本相手に勝ち点を取りこぼす格好となっただけに、エースの1人であるFWルイス・スアレスバルセロナ)は歩きながらサムアップポーズするのみで、記者陣にはコメントを残さなかった。その他の選手も足早に取材エリアを後にするなか、丁寧に対応していたのが、後半21分にセットプレーから同点ゴールを挙げたヒメネスだ。

 2014年に19歳にしてワールドカップ全3試合に出場し、スペインの強豪アトレチコで主力を張る24歳は、「誰が日本で良かったか?」とスペイン語で尋ねると、「多くの選手がいる」と答えたなかで、ある選手を名指しで挙げた。

「ヌメロ・クワトロ(4番:板倉)についても試合全体を見てプレーをしていた」

インテリオーレス(中盤のセンター複数人)は1人1人が素早かったし、ヌメロ・クワトロ(4番)についても試合全体を見てプレーをしていた」

 柴崎らがいた中盤を総じて“素早かった”と評した一方で、具体的な言及をしたのがボランチの一角でA代表デビューを飾った板倉だ。今季プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティと契約し、オランダ1部フローニンゲンへ期限付きした22歳は、リーグ戦で出場機会が得られず、試合勘の欠如からパス成功率は79.3%(58本中46本成功/データ分析会社InStat調べ)とボールロストも少なくなかったが、ヒメネスの目には視野の広さや冷静なプレーが印象に残ったという。

 板倉本人は試合後、「個人的には入りでミスを繰り返してバタついた。真ん中の自分がバタつくと上手く回らない」と反省の弁を述べた。この経験をバネにステップアップを果たしたいところだ。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

ウルグアイ代表DFヒメネス【写真:Getty Images】