リバプール時代にホットラインを築いたジェラードから激励のメッセージ 「君とのプレーを心から愛していた」

 J1サガン鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスは21日、現役引退の意向を表明した。世界各国から様々なメッセージが寄せられているなか、かつてリバプールで魅惑のホットラインを形成した元イングランド代表MFスティーブン・ジェラード(現レンジャーズ監督)が心温まる言葉を送っている。

 トーレスは昨夏に鳥栖へと加入。熾烈な残留争いに巻き込まれるも、チーム戦術に合わせたターゲットマンに徹し、リーグ戦3ゴールにとどまったものの、残留を懸けた運命の一戦となった第33節の横浜F・マリノス戦(2-1)では値千金の決勝ゴールをマーク。15位という瀬戸際での残留に大きく貢献した。

 しかし、今季は度重なる負傷に加え、スペイン人のルイス・カレーラス前監督が解任された後は、金明輝監督の下で先発から外される試合が増えることに。リーグ戦11試合出場でいまだ無得点のトーレスは21日、自身の公式SNSを通じて現役引退の意向を表明した。「エキサイティングな18年間を経て、サッカー選手としてのキャリアに終止符を打つ時が来た」と文章を添え、動画で別れの言葉を口にしている。

 トーレスと言えば、下部組織育ちでトップデビューを果たし、19歳でキャプテンを託されたアトレチコ・マドリードが、キャリアの象徴と言えるクラブだろう。そこで見せた類稀なるゴール嗅覚から「エル・ニーニョ」(神の子)という異名を授けられた経緯もある。しかし、トーレスが世界的なストライカーとして飛躍を遂げたのは、2007年に加入したリバプールだった。

「ともにロッカールームで過ごした日々も光栄に思う」

 加入初年にしてリーグ戦24ゴールを記録し、当時のプレミアリーグ挑戦1年目の外国人選手として最多得点記録を樹立。なかでも、ジェラードとの阿吽の呼吸を見せるホットラインは抜群の破壊力を誇り、国内外で人気を博していた。リバプールでは最終的に4シーズンで、公式戦142試合出場81ゴールを挙げている。

 トーレスの引退表明を受け、ジェラードも公式インスタグラムを更新。「この笑顔が示す意味は、君とのプレーを心から愛していたということ。そして、ともにロッカールームで過ごした日々も光栄に思う。素晴らしい選手で、偉大な人物だ。君の未来に最高の幸あれ」と文章を添え、リバプール時代に熱い抱擁を交わす笑顔の2ショットを公開している。

 コメント欄では「史上最高のコンビだった。ありがとう!」「君たちは最高の相棒だ」「この2人が同じピッチに立つ時間を最も愛していた」「世界最高のベストペア」「感動的な物語」と、ファンからも多くの反響が寄せられていた。35歳でスパイクを脱ぐことになったトーレスだが、ジェラードとともにピッチに立った時間はファンの心の中で色褪せることはないだろう。(Football ZONE web編集部)

(左から)リバプール時代のMFジェラード、FWトーレス【写真:Getty Images】