元教師の柴田ゆき野さんが、不登校時代の思い出についてブログで公開。『不登校の子に対する言葉かけ』について考えさせられる漫画をご紹介します。

記憶から消えていた教師の発言

小学生のころ、明確な原因なしに一時期だけ不登校になってしまった柴田さん。そんな柴田さんのことを、母親はさまざまな方面から守ってくれました。

ある日のこと。親子で当時のことを振り返っていると、母親が柴田さんの記憶にないエピソードを語り始め…。

「ゆき野さんは死んでいるかもしれない」と子どもたちの前で発言した教師は、冗談のつもりでいったのかもしれません。

または、「不登校というのは表向きで、本当は亡くなっていたのだとしたらどうしよう」「虐待などの対処もしなければならないのだろうか」というような、教師本人の不安から出た発言だった可能性もあります。

一概には教師を責められないものの、子どもたちの前でする発言でなかったことは確かなこと。不用意な発言は柴田さんの耳まで届き、結果的に彼女を深く傷つけてしまいました。

小学生当時、先行きが見えず柴田さん自身も不安だったはず。例えほかの人にとってはささいな発言であっても、柴田さんにとっては『非常に残酷なひと言』になり得たのです。

柴田さんは、自分のために教師と戦ってくれた母親へ感謝すると共に、ブログで次のようにつづっています。

意図的にではないにせよ、生きるために「忘れる」という判断をした自分の心に「ありがとう」と言いたいです。

その判断のおかげで、今のわたしがあるんですから。

柴ゆき道中! | ーより引用

柴田さんは、忘れることで自分の心を守ることができました。

しかし、人によっては味方がいない状況の中で、嫌な記憶を忘れることすらできない人もいるかもしれません。

大人は「一生に影響することだ」と思いながら、子どもに声かけをしていく必要があるでしょう。


[文・構成/grape編集部]

出典
柴ゆき道中! |