9年半ぶりに大学生A代表誕生 チリ戦でデビューを飾ると強豪ウルグアイ戦も途中出場

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間24日(20時・日本時間25日8時/エスタディオ・ミネイロン)にコパ・アメリカ南米選手権)のグループリーグ第3戦でエクアドルと対戦する。決勝トーナメント進出を懸けた大一番に向けて、FW上田綺世(法政大)は武器とする裏への飛び出しを成功させるうえで、“死んだふり”の重要性を説いた。

 上田は今大会、9年半ぶりに誕生した“大学生A代表”として参加し、17日のチリ戦ではいきなり先発に抜擢されて1トップでプレー。MF柴崎岳(ヘタフェ)の絶妙なお膳立てを2度受けるなど、計4回の決定機を迎えるも、シュートを枠に飛ばせず0-4で敗れるホロ苦いA代表デビューとなった。続く20日のウルグアイ戦でも後半22分から出場したなかで、DFディエゴ・ゴディンやDFホセ・ヒメレス(アトレチコ・マドリード)のセンターバックコンビに思うように前を向かせてもらえず、チームも2-2で引き分けた。

 ウルグアイにはFWルイス・スアレスバルセロナ)とFWエディンソン・カバーニパリ・サンジェルマン)の強力2トップがいたが、同じストライカーとして感じるものがあったという。

「相手はシンプルにその2枚に入れて、彼らがどうにかするというスタイルのなかで結局できてしまう。成り立たせてしまう収める力、スピード、ドリブルを含めて、世界的にもハイレベルでした」

 一方で、上田は裏へ飛び出す動きを得意としている。実際、チリ戦では何度もスペースを突いてチャンスに顔を出しており、その能力はA代表でも十分に通用する可能性を示した。大事なのは相手を観察し、“死んだふり”をして隙を作ることだとそのカラクリを明かす。

「上手くサボったり死んだふりをしながら、相手の隙を作るのも裏を突くうえで必要」

「一瞬のタイミングを絶対に逃さない準備と、あくまでディフェンスに“死んだふり”をするのが大事。ずっと動き続けるのも、運動量という部分ではいいかもしれないけど、点を取る意味では逆に難しくなることもあると僕は思います。上手くサボったり死んだふりをしながら、相手の隙を作るのも裏を突くうえで必要ですね」

 上田がイメージを重ね合わせるのが、モナコFWラダメル・ファルカオだ。コロンビア代表の通算最多得点記録を誇るストライカーは「目指したいスタイル」だと語る。

ファルカオ選手とかは“死に方”が上手い。サボっているようで歩きながらすっとディフェンスの隙に行って体の向きを変えて背後を取ったり、攻め残りから背後を取ったり、ずる賢さを持っている」

 24日のエクアドル戦でチームを勝利に導く初ゴールを挙げられるか。大学生A代表にとって、今後を大きく左右するターニングポイントになりそうだ。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

日本代表FW上田綺世【写真:Football ZONE web】