マッチングアプリ全盛の昨今、昔と比べ、異性と出会うチャンスが格段に増えたことは言うまでもない。

 だが顔の見えないやり取りでは自ずと「勤め先」「収入」「学歴」といったデータが重要となり、“持たざる者”が不利になるのは、火を見るより明らかだ。そんな中、数年前にブームとなった「街コン」に、今再び注目が集まっているとの情報を耳にした。

 とくに女性の参加者が増加しているようで、都内の街コンでは男性の供給不足が起きているという。

20代男性記者が街コンに参加してみた

卓球コン
筆者
 私事で恐縮だが、筆者は26歳だ。正社員ではなく、俗にいう非正規の身分で働いている。20代といえば、冒頭に書いたマッチングアプリを使って恋愛をスタートさせる男女が多く、私の周りでもそんな話をよく聞く。

 だが最近、気が付いた。「マッチングアプリですげぇ可愛い子捕まえちゃってさー」「ペアーズで彼女できた! 女子大生だよ」などとふざけた自慢をしてくる輩の9割は正社員で、そこそこ有名な大学を出ているのだ。おまけボーナスまでもらっている。

 一方、非正規の私にボーナスなど当然なく、収入もマジで低い。あまり言いたくはないが、「最終学歴は高校卒」というダメ押しまである。記憶では2018年ロシアW杯を一緒に観ていた時に唐突にフラれて以降、彼女がいなかった気がする。

 そんなわけで「データが重要視されるマッチングアプリを使っても相手にされるわけがない」と自暴自棄に陥っていた。しかし、ここにきての街コンブーム再来の情報。とりあえず女性と会えて、そして話せるというチャンスを逃せるはずがない。というわけで、実際に参加してみることにした。

「卓球街コン」で親睦を深める!

卓球コン
卓球コンの会場
 今回、筆者が参加したのは株式会社Rootersが主催する「卓球コン」。1人での参加が条件となっていたこともあり、「これならビギナーでも気軽に楽しめるのでは」と思ったことが参加の決め手に。しかも卓球ならば、面と向かって話をしなくとも、ごく自然に仲良くなれるのではないかというズルい考えもあった。

 そして街コン当日。会場は表参道という、これまで数回しか足を踏み入れたことのないオシャレな街。「表参道で卓球ってどうなんだ?」といった気持ちがあったことは正直なところだが、それだけに「可愛い子が来るんじゃないか?」の期待も高まる。

 受付を済ませ、部屋に案内されるが、まさかの一番乗りだった。できれば最後の方に余裕かまして入ってくる男を演出したいところだったのだが、それは叶わなかった。

 しかし、当日司会進行を担ってくれた女性スタッフ曰く、「街コンでは断然、会場に早く来る方が有利」という。理由はシンプルで、早く来た異性同士で会話ができるから。パーティーが始まる前から仲良くなっておけば、親密になる確率も上がるのは、うなずける。

20代なかばの男女が14、15人集まって楽しく卓球

卓球コン
卓球をする筆者(右)
 この日も筆者を含めた先発組数人で、練習の名目で前倒しピンポンが始まった。会場のスタッフの絶妙な誘導でウォーミングアップだけでなく、自己紹介まで済ますことができた。いつの間にか初参加の緊張も吹き飛んでいた。張り切って空回り気味だったことが、功を奏したようだ。

 時間が経つにつれ、徐々に参加者たちも集まり始め、男女合わせて14、15人となった。平均年齢は20代半ばくらいだろうか。各々の自己紹介タイムに始まり、早速2グループに分かれての卓球タイム

 ちなみに筆者はこれまで一度も卓球をやったことがなかったのだが、同じような未経験者もちらほら。中には学生時代に卓球部に所属し、マイラケットを持参する猛者もいたが、ガチな卓球大会のような空気ではなく、あくまでもプレーそのものを楽しむ雰囲気に安堵した。

歓談タイムで一気に距離を縮める

卓球コン
歓談タイムの様子
 

 卓球コンといえど、これはあくまでも男女の出会いの空間。ただ一心不乱に卓球をするわけではない。前半戦が終わったタイミングで軽食が用意され、歓談タイムスタートした。

 約1時間のピンポンでだいぶ親密になったので、「ここで一気に距離を縮めろ!」という主催者側のメッセージだろう。先ほど分かれたグループごとに時間制で談笑するようで、全参加者と話をすることができる。

 フリードリンクアルコールの提供もあったため、口下手な筆者はガンガンビールを摂取し、女性に話しかける。だが、冒頭にも記したように、自分にはアピールポイントがまるでないことを今さらながらに痛感!

街コン参加の女性は意外な反応

卓球コン
クリエイティブ職とアピールする筆者(左)
 そこで過度に「編集者です」「一応クリエイティブ職であります」「週刊SPA!です。そこそこ有名です」と相手に伝えまくったのだが、これはプラスに働いたのだろうか。

 しかし、周りの会話を聞いていて、男女ともに相手のスペックというよりも、互いのフィーリング面を重視しているように感じた。直接会って話をしたいと集まってくる人たちだからこそ、データだけでは判断できない内面を重視する傾向が強いのかもしれない。

 実際、参加していた20代の女性は「会って話をできるから仲良くなりやすい」と話していた。また、ほとんどの参加者が街コンに来る理由として「恋人よりもまず友達探し。ここで出会って一緒にご飯に行って、相性次第で恋愛に発展できれば」とのこと。

 思いっきり恋人探しに来ていた筆者としては多少面食らった格好になったが、あまりガツガツしていないからこそ、気軽に参加できるのが街コンの魅力なのかもしれない。

連絡先交換タイムで“LINEゲット”なるか?

卓球コン
女性と連絡先を交換することに成功!
 後半戦は、くじ引きで男女ペアになり、トーナメント戦でのダブルス大会が行われた。

 だが、その前に、進行スタッフによる「連絡先交換タイム」のアナウンスが。街コン初参加の筆者は知らなかったのだが、「どうやらどの会でもこうした計らいが用意されている」とは、常連参加者。せっかく参加したのに誰とも仲良くなれなかった……という状態にはならない。

 こうして2時間のパーティーがあっという間にお開きとなり、筆者の初の恋活が終了した。参加者の中には、かなり親密になったのか、これから二次会に行く人たちもいた(私は呼ばれていない)。

連絡先を交換した女性からメッセージがきた!

 だが帰宅して数時間後、連絡先を交換した1人の女性からメッセージが。なんと食事のお誘いである! しかしながら筆者、実はこの女性とあまり話すことができていなかった。いきなり2人きりでご飯に行くなんぞできるわけがない…との弱気な姿勢から、時間を空けた挙句についついダメな返信をしてしまう。

卓球コン
デートのお誘いLINEが来るも、既読無視されてしまう
 結果、既読無視されてしまったことは言うまでもなく、せっかくのチャンスを棒に振る形となってしまった。自らの失態にも拘わらず「俺は街コンには向いていない」と自分に言い聞かせ、敗戦を忘れ去ろうとした筆者だっったが後日、編集長Nからこんな言葉が。

ロケットくん、BBQコンっていうのがあるらしいよ。卓球とは全然雰囲気が違うらしいから行ってみれば」

 2週間後、筆者は再び表参道の地に足を踏み入れたのだった。

<取材・文/ロケット梅内 撮影/鈴木大喜>

【ロケット梅内】

Webライターです。主に最近の若者についての記事を書いています。週のほとんどの時間をラーメン食べ歩きに費やしていますが、グルメネタは苦手ジャンルです。

卓球をする筆者(右)