「ハーフの子を産みたい方に。」「ナンパしてくる人は減る。ナンパしてくる人の年収は上がる。」「着物を着ると、扉がすべて自動ドアになる。」

 「東京コピーライタークラブ」の新人賞も受賞した、銀座の呉服店が2016年に発表した広告が先週、Twitter上で炎上した。 発端はTwitterアカウントGRAY PRIDE」さんの指摘だったとみられており、リツイート数は23000を超えた。批判を受け、呉服店は「これまで着物にあまり関心を持たなかった方にも目を向けて頂きたいという意図で制作したものでしたが、今回頂いたご意見を真摯に受け止め、今後の広報活動の参考にさせていただきます」とホームページコメントを発表した。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「発表時は広告を見た人も少なく、見過ごされて炎上しなかったのだろう。しかしジェンダーへの意識の高まりや、まとめサイトネットニュースの浸透などもあり、リツートと記事によって小さな爆発を繰り返す」と分析する。

 作家の乙武洋匡氏は「僕もツイッターで"こんなひどいコピーがあるぞ"という文脈で流れてきて知ったが、3年前のコピーだということはついさっきまで知らなかった。つまり、批判している人たちの中にも、これが3年前のものだと知らずに批判している人も多いと思う。その前提を皆が知っていれば、燃え広がり方も少し違ってきたのではないかと思う。そして、3年というのも微妙だ。たとえば生徒をバシバシ殴り倒す『スクール☆ウォーズ』というドラマも、当時は感動物語として受け入れられていたが、この令和の時代に同じようなドラマが放映されればド炎上すると思う。3年前というのはそれほど昔ではないが、その間、#MeTooだ、#KuTooだと、様々な抗議運動があったし、実はつい最近のように思えても、僕たちの価値は変わってきているかもしれない。そう考えると、ちょっと同情すべき点もあると思うし、非常に難しい問題だ」と指摘。

 ウツワ代表のハヤカワ五味氏は「2つの視点があると思う。着物が着崩れていたり、着方がちょっと間違っていたりするだけで、"着物クラスター"からすごく叩かれるし、こういったコピー含め、着物業界全体がもう少しポジティブな動きをしていくといいんだろうなと思う。このコピーユーザーを増やすとは思えないし、市場が縮小していくよなというのはある。もう一つは、コピーによって傷付いた人がいるとか、電車内で見てリアルタイムで不快だったなら抗議すべきだと思うが、過去の発言まで掘り起こされるようになってしまうと、それこそ昔のドラマアニメのことも言うのかという話しになってくる。デジタルリスクヘッジみたいなものが増えてくるだろうし、Instagramストーリーのように一定時間経つと消えるのが優勢になる可能性もある。私も高校生時代のSNSでの発言を掘り返されたことがある。さすがに私も時代も変わってるでしょ、と。そもそも広告キャンペーンはご時世に合わせたことをやっていると思うので、今やっていることも10年後には的外れになる可能性もある」とコメント

 また、パンサーの向井慧は「このキャッチコピーは確かにスベっていると思うし、良くないと思うが、バラエティもやれることとやれないことが変わってきているし、3年前と今は違うだろう。ただ、やっぱり正義感のはけ口というか、人の間違ったところを探したい人が増えている感じがするので、最初に指摘したGRAY PRIDEさんに対しても"3年も前のことを今さら掘り返して何言ってんだよ"という"正義感"が向けられているだろう。それって恐ろしいことだ」と話すと、乙武氏は「修羅の国になったと思う」、元経産官僚の宇佐美典也氏は「僕は4年くらい前に全てのツイートを一度削除した。みんな1年に1回くらいのペースで削除してもいいくらいだと思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

▶放送済み『AbemaPrime』は期間限定で無料配信中

3年前の広告に非難殺到、過去の発言”掘り起こし”に違和感の声も