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 カナダ西部・アルバータ州に住むある男性が、たまたま家の近所を散歩しているときに、珍しい光景に遭遇した。

 路上には1羽のカササギがあおむけ状態で倒れていて、まったく動かない。男性は車にひかれてしまったのだろうか?と心配しながら見ていたら、1羽、また1羽と、次から次へ仲間のカササギが集まってきたのだ。

 カササギたちは倒れたまま動かなくなったカササギを囲みはじめた。
 仲間のカササギは倒れたカササギの尻羽をつついてみると...
 少しずつ動き出した!

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仲間の死を弔う習性があるカササギ

 倒れたカササギの周りに次々に集まってくるカササギの仲間たち。この珍しい光景を目の当たりにしたクリフォード・ツヴェングロウスキーさんは、手元にあるスマホでその様子を撮影した。

 カササギは死んだ仲間を弔う風習があることが知られている。コーネル鳥類学研究所によると、カササギは死んだ仲間を見つけると、大きな声で鳴いてほかの仲間を呼ぶ習性があるという。

 中には40羽も集まったケースも観察されているそうで、10~15分ほど死体の周りを取り囲んだ後、いつの間にか解散して飛び去るそうだ。

 もしかしたらツヴェングロウスキーさんが目撃したカササギも、仲間が死んだと思って集まったのだろうか?

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image credit:Logical Morality / youtube

 ひっくり返ってこと切れているように見える仲間のまわりに、数羽のカササギが驚いたように集まり、その周りを取り囲み始めたという。

生きてた!意識を取り戻したカササギ

 カササギたちは、動かない仲間をひどく案じるかのように見えた。この状態は数分間続いた。動かなくなった仲間の尾羽をクチバシでつつくカササギ

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image credit:Logical Morality / youtube

 すると...

 倒れていたカササギは何やらモゾモゾ動き出した。良かった!死んではいないようだ。そして突然、起き上がったかと思うと、停まっている車の下にさっと移動して身を隠したのだ。

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image credit:Logical Morality / youtube

 これには仲間たちもさらにびっくり。

 どうやら、その鳥は車に接触したかなにかで、ショックで失神しただけだったらしい。「実際になにが起こったかはわからないが、現場は住宅地の遊び場のようなところだったので、車にぶつかったとは考えにくい」ツヴェングロウスキーさんは言う。

 あまり近寄ってはいけないかと思ったが、ツヴェングロウスキーはなにかせずにはいられなかった。

 「鳥は脂肪分の多い食べ物、とくにナッツをよく食べることはわかっていたので、近くにコンビニがあったから、いくつか見繕ってきたんだ」ビデオは、ツヴェングロウスキーが意識を取り戻した鳥にナッツを与えて、元気が出るまでそっとしておいてやろうとしている様子で締めくくられている。

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image credit:Logical Morality / youtube

仲間のおかげで早く意識を取り戻すことができたかも


 もし、仲間のカササギたちが集まってこなかったら、彼はずっとそこで気を失ったままだったかもしれない。仲間が騒々しくしてくれたおかげで、わりとすぐに目覚めて危険を回避できたのかもかもしれない。

 とにかく助かってよかった。

 カササギたちは倒れている仲間がいたら必ず来てくれるようだ。時にそれは本当のお葬式になってしまうこともあるが、こうやって助かることもあるなら素晴らしい。

written by konohazuku / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52275793.html
 

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