慶應義塾大学は、性犯罪の防止に取り組む意思を明示的に示してくださいーー。慶應大生と教員有志らが呼びかけ人になり、大学に性犯罪を防止するための教育活動などを求める署名活動をすすめている。

呼びかけ人の一人である文学部4年の谷虹陽さんらは「キャンパスにおける性犯罪の防止に取り組む慶應義塾大学有志の声明」http://keio2019seimei.strikingly.com/を発表。

谷さんは「慶應の卒業生がOB訪問の大学生に対して起こした強制わいせつ事件についても、大学からは何も声明がなく、憤りを感じている。就活中の学生を守るのも大学の役割だと思う」と話す。

●就活中の性被害「何らかの措置を講じるべき」

慶應大生が性的暴行で逮捕された事件などを受け、大学は2018年11月に「学生の逮捕について」などとコメントを出している。

しかし、こうした大学のコメントでは性犯罪について具体的な言及や主張が見られず、声明は「キャンパスにおける性犯罪の再発を防止しようとする明確な意思が大学から示されてないことは、(在学生の)不安を一層高めることになる」と指摘する。

また、2019年3月には、就職活動中の女子学生がOB訪問で性的暴行を受ける事件があった。

慶應義塾大学はHPの就職進路に関するページで「慶應義塾は最も就職に強い大学のひとつ」とし、OB・OG 訪問のために卒業生にコンタクトできることをうたっている。声明は「大学がこうした事件に無関心であることはできないはず」とし、学生の安心安全のためOB訪問中の性的暴行に関して大学が声明を出すことを求めた。

また、学生に対し、飲酒事故の防止の取り組みと同様に、新入生や在学生に向けたガイダンスで性犯罪の防止に関する内容を盛り込んだり、定期的に「性犯罪を防止するための注意喚起」を実施することも求めている。

署名の呼びかけ対象は慶應の学生や教職員、卒業生で、6月末までの予定。現在400人以上の賛同が集まっている。

慶應大生「性犯罪を防止する意思を示して」 大学に対策求めて署名活動