― 僕が親ならこうするね<ひろゆき> ―

◆「学校は必要か問題」才能ある人の意見が参考にならない理由

 少子化や教育絡みの話を聞かれることが多くなってきた昨今ですが、SPA!さんも同じようで、連載が教育関連にリニューアルされるという急展開になっていたりします。教育関連の話でいうと、最近は“学校に行く必要があるのか問題”が話題です。

 そもそも、子どもが「学校に行きたくない」と感じるのは普通ですよね。学校って「やりたくないことも、できるようになる」のが目的の一つですし。んでも、学校に行かず特定の学科をマスターしたり勉強ができたとしても、覚えたくないものを覚えたり学習したりする方法や、習慣を身につけることを学ぶのが学校の意義でもあるので、行かなくても大丈夫ってものでもないと個人的には思うのですね。

 逆に「学校に行かなくて問題ない」と言う人もいて、その理由も理解はできますけど、そういう人ってなんらかの才能があって成功している人が多いんですよね。才能というのは、少数しか持っていないから才能なわけで、そう考えると大多数は才能がないということになります。

 そういう才能のない子どもが社会の競争に巻き込まれるわけですから、計算をできるようにしたり、外国語の基礎を習得したり、教養を学んだりと、できるだけ多くの備えをしてあげたほうがいいわけです。音楽や図工や美術なんかも、その教科を通して子どもが気づいてない才能を見つけてあげられる可能性もあるわけですしね。

 ここ数年で日本は給料が低い国になっていて、一人当たりの所得も’00年の世界2位から’18年には26位と下がっていて、今後も続くと言われていたりします。だもんで、同じ仕事をするにしても海外に行ったり外資系企業から仕事を受けたほうが収入は良くなるわけですけど、才能もなく教育もない子どもが、先進国の教育を受けた子どもに勝つのって相当難しいですよね。

◆大学に行かなくても成功した人はいますけど…

 しかも、日本以外の先進国で知的労働者になるには大卒の資格は必須で、大学も出てない人が「知的労働者です!」と労働ビザを発行してもらおうとしても、よほどの職歴や結果がないと認めてもらえないわけです。でも、日本の大卒の資格って、学校にちゃんと通っていれば海外よりも簡単に取れるんですよね。そのうえ、多くの先進国は自国民の失業者を抱えていて、自国民でできる仕事に外国人を入れたくなかったりするわけです。

 ってことを考えると、平凡な子どもが少しでも楽に暮らせるようにしたいのなら、やっぱり学校での教育は大事だと思うのですよ。

 大学に行かなくても成功した人はいますけど、それは元から頭が良かったり、才能のある人が学校に行かないでも成功したという話であって、学校に行かなかったから優秀になったわけじゃないのです。ホリエモンこと堀江さんは、学歴的には高卒で成功していますけど、東大に現役で入学できる才能があったので「学校教育はいらない」とか言えるわけです。

 そもそもイチローが野球で成功したのも才能があって努力を続けたからで、学校に行かなかったから能力が上がったわけではないです。もちろん、必ずイチローのようにメジャーリーグで成功するのならば、学校に行く時間も全て練習に注ぎ込めばいいですが、99%以上の人はイチローどころかプロ野球選手にもなれません。

 なのに、学校に行かなくてもいいと言うのは、単なる無責任としか思えないんですよね。もしくは、才能があると信じていたりとか……。

西村博之(にしむらひろゆき)】
’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねるニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など