米国政府は、米で使用される次世代通信規格5Gの関連機器が、中国以外で設計および製造されることを義務付ける案を検討しているという。米ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)が23日に報じた。

同紙によると、トランプ大統領5月15日に署名した大統領令で、米国は技術的な緊急事態に直面しており、米国の情報通信インフラに脅威を与えるおそれのある企業との取引を禁止することにした。

大統領令はまた、米国の通信技術企業が、中国以外の国でルーターやコンバーターなどの5G技術機器やソフトウェアを開発できるかどうかを確認している。このため、政府は技術系企業のサプライチェーンを、150日間の調査実施を行う見通し。

報道によると、この調査はまだ非公式で、初期段階の話だが、大統領令によると今年10月までには何らかの勧告が発表される。

電気機器専門のニュースサイトEngadget.comは23日、一部の通信会社はすでに政府の要求に応じて、サプライチェーンの脱中国を行っていると報じた。それによると、半導体メーカースーパーマイクロは、中国の生産ラインを海外に移転させている。

日経アジアレビュー6月19日付によると、米アップルは主要取引先に対して、アップル向けの中国生産のうち15~30%を海外に移転するコストを見積るよう要請した。サプライチェーンの見直しを理由にしている。

WSJは、世界最大規模の通信機器とサービスの市場である米国との取引を続けるために、通信大手ノキアやエリクソンも、中国生産ラインの移転を考えるだろうと報じた。

トランプ政権は、サイバー空間における安全保障の影響力を高く見積っている。このため、中国共産党政権と繋がりのある中国通信企業について、情報スパイや操作の危険性が高いと考えている。

米中経済安全保障審査委員会ミシェル・ウェッセル(Michael Wessel)議員は、中国企業のみならず、中国で生産ラインを持つ海外メーカーも同様にその安全性が疑われているとした。

WSJは内部情報筋の話として、5月の大統領令は、「敵対的な外国勢力」のリストを作成する予定があり、中国を含む可能性があるとした。

また別の情報筋は、米政府は、中国の生産ラインの代替として、他のアジア諸国への投資も検討しているという。

2017年6月28日に中国で施行された新法「国家情報法」には、「どんな組織や個人も、国の情報活動に協力する義務がある」と記されている。

2018年11月、豪政府が入手した機密報告書によると、中国情報機関は海外で浸透工作を展開するため、ファーウェイの社員に海外のインターネットアクセスコードを提供するよう要求していた。

(翻訳編集・佐渡道世)