24日のエクアドル戦で中島、久保、三好の同時出場がついに実現か

 日本サッカー界の次代を担う3人のタレントが初共演しそうだ。FIFAランキング28位の日本代表は、現地時間24日のコパ・アメリカ南米選手権)グループリーグ第3戦で同60位のエクアドル代表と対戦する(エスタジオ・ミネイロン/現地20時・日本時間25日8時)。そのなかで注目されるのが、MF中島翔哉(アル・ドゥハイル)、MF久保建英FC東京レアル・マドリード)、MF三好康児(横浜F・マリノス)の初共演だ。

 17日のチリ戦(0-4)では、2列目トップ下に久保が入り、左に中島、右に前田大然松本山雅FC)が並んだ。後半21分、2枚同時交代の際に中島が下がり、三好が投入された。一方、20日のウルグアイ戦(2-2)では、2列目トップ下に安部裕葵(鹿島アントラーズ)、左に中島、右に三好が起用され、後半38分には三好に代わって久保が投入されている。

 ここまで中島、久保、三好の3人は公式戦で同時出場が実現していない。続くエクアドル戦で3人はスタメン起用が予想されており、ついに初共演の時が訪れそうだ。

 昨夏のロシアワールドカップ後から森保一監督が日本代表の指揮を執るなか、10番を与えられるなど攻撃の中軸を担う1人が24歳の中島だ。今大会、17日のチリ戦(0-4)では守備に課題を残したが、20日のウルグアイ戦(2-2)では改善されたプレーを披露。2試合を通じて攻撃面では強烈な存在感を示し、切れ味鋭いドリブルと卓越したキープ力で攻撃をけん引した。

 14日にレアル移籍が決まった久保は、今月9日の国際親善試合エルサルバドル戦(2-0)で歴代2番目の若さとなる18歳5日で代表デビューを飾った新鋭レフティーだ。チリ戦では、MFアルトゥーロ・ビダル(バルセロナ)を手玉に取る2人抜きドリブルをはじめ、MFエリック・プルガル(ボローニャ)を股抜きで翻弄。その華麗なプレーを海外メディアもこぞって称賛するなど、今や“日本の至宝”として注目度を高めている。

2列目のトップ下に久保、左に中島、右に三好 三つの才能が相乗効果を生むか

 そして一夜にして、世界にその名を轟かせたのが22歳の三好だ。ウルグアイ戦で代表初先発を飾ったレフティーは、鋭いドリブル突破から強烈な一撃を叩き込むと、こぼれ球に詰めて2ゴール目を上げるなど出色のパフォーマンスを披露。久保も「チームを救ったヒーロー」と称えた活躍ぶりを見せ、強豪との一戦で「MIYOSHI」の名前は世界に広まった。

 エクアドル戦の前日会見で森保監督は、「勝利するために確率が高い選手を送り出したい」と明言。強烈な個性を発揮する3人の2列目“同時起用”がいよいよ現実味を帯びてきた。チリ戦とウルグアイ戦のパフォーマンスを考慮すれば、2列目はこの3人の起用がベストと言えるだろう。

 3人の初共演にあたってトップ下に久保、左に中島、右に三好という配置が予想される。それぞれ個での高い突破力を有しており、攻撃時の迫力と鋭さは見物だ。

 中島と三好はともにサイドからのカットインという“十八番”の形を持ち、単独で縦にも突破を図れる。久保はチリ戦でも証明したように、狭いエリアでも柔らかく独特のタッチで局面を打開してシュートまで持ち運ぶ力に加え、周囲を生かすパス能力も兼備。三つの才能が相乗効果を生めば、エクアドルの守備網を破れるはずだ。

中島、久保、三好が並んだ際の懸念は… 個の意識とチーム全体の対応でカバー可能

 攻撃面に特徴を持つ中島、久保、三好が並んだ際、懸念点となるのは守備の綻びだろう。実際、チリ戦では中島が守備に戻り切れず、背後のスペースを突かれて失点を喫している。もっとも、個々の守備意識とチーム全体の対応でその点は十分カバー可能なはずだ。

 ウルグアイ戦のようにチーム全体の守備陣形をコンパクトに保ちつつ、両サイドハーフも周囲と適度な距離感を保ちながらスペースを埋めて守備に奔走。そして攻撃に転じた際、縦への推進力をもって仕掛けのスイッチを入れる。3人はそのバランス感覚を有しており、90分を通じてタスクを全うしながら、攻撃での個性を前面に発揮できるはずだ。

 エクアドル戦で勝利すれば、コパ・アメリカで史上初のベスト8進出となり、開催国ブラジルとの対戦が実現する。魅惑のトリオが初共演で共鳴し、森保ジャパンの新たな扉を開くか注目だ。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

(左から)中島翔哉、久保建英、三好康児【写真:Getty Images & AP】