36歳川島、ロシアW杯以来の代表戦出場となったウルグアイ戦で躍動

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間24日(20時・日本時間25日8時/エスタジオ・ミネイロン)にコパ・アメリカ南米選手権)のグループリーグ第3戦でエクアドルと対戦する。指揮官は前日会見で、スタメンについて「ウルグアイ戦がベースになる」と明言。それに倣えば、守護神はウルグアイ戦(2-2)で好セーブを連発したGK川島永嗣(ストラスブール)の起用が濃厚だが、19歳GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)は偉大な先輩の「常に試合を意識したプレーと言動」に脱帽した。

 川島は今季移籍したストラスブールで第3GKとなり、公式戦出場は今年5月のリーグ最終節ナント戦(1-0)のみ。6月のキリンチャレンジカップ2試合もベンチ外でコパ・アメリカを迎えた。初戦のチリ戦(0-4)は先発を後輩の大迫に譲ったものの、FIFAランキング8位のウルグアイ戦では先発に抜擢。FWルイス・スアレスバルセロナ)に両軍最多のシュート11本、FWエディンソン・カバーニパリ・サンジェルマン)に同8本を放たれながら、セットプレーでの2失点に抑えて勝ち点1を手にした。

 代表戦出場はロシアワールドカップ以来、しかも相手は南米屈指の強豪ウルグアイだったが、実戦感覚の不安を感じさせない素晴らしいパフォーマンスを見せた。大先輩のプレーをベンチで見守った大迫は、川島の姿に“オーラ”を感じたという。

プレーはもちろんですけど、ボールがないところでの味方に対しての鼓舞、悪い時間帯での声のかけ方……、ベンチから見ても学ぶことはありました。永嗣さんは、チームを引っ張っていくうえでも常に試合を意識したプレー、言動を一番感じます。自分のチームで出場機会がなかなかつかめないなかで腐らずに日々練習した結果、ああいう良いパフォーマンスにつながっているのかなと。今回みたいに自分がベンチになった時の立ち振る舞いも、見習うべきところだと思います」

 ウルグアイ戦での川島の最大のハイライトは、1-1で迎えた後半10分にディフェンスラインの裏に抜け出したカバーニとの1対1を止めたビッグセーブだろう。ペナルティーエリア外に出るのか、ゴール前に下がるのか非常に難しいシチュエーションながら、素晴らしい判断と反応で絶体絶命のピンチをしのいだ。大迫は同じGK目線で、そのプレーを振り返る。

「永嗣さんの試合を見れたのは僕らにとっていい機会。自分の意識のラインは上がった」

「(チームが)押し込まれている状況ではありましたけど、あれでもし点を取られていたら相手にもっと流れが行っていたかもしれない。無理に出てしまったり、逆に下がりすぎたりしてしまうような場面だったかもしれないですけど、そこを上手く相手と駆け引きしながら最後まで動かず、ボールを見続けて対応できたのは凄いと思います。あのワンシーンだけ見ても、自分のプレーの選択肢が増えたと感じています」

 大迫によれば、川島は練習のキャッチングやボールをこぼしてしまった際の処理もゲームさながらの意識で臨んでいるという。

「練習からこぼしてしまったら相手が詰めてくるという意識のなかで、一つひとつのプレーが途切れるまでやり切っているのは真似しないといけない。永嗣さんの試合を見られたのは僕らにとっていい機会。いい刺激をもらいました。ああいう舞台で活躍できるキーパーになる基準じゃないですけど、自分の意識のラインは上がったと思います」

 川島は自身のプレーでチームを救うだけでなく、その背中を追う後輩たちをも奮い立たせている。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

大先輩のプレーをベンチで見守った大迫は、川島の姿に“オーラ”を感じたという【写真:Getty Images & AP】