生活の基盤である「住まい」選びに欠かせないのは、物件情報の提供や実際の契約などに携わる「不動産会社」ですが、たくさんある不動産会社をどう選べばいいのか迷っている人も多いはず。

そこで今回は、およそ30年にわたり不動産業に携わる筆者が、5つの「不動産会社を選ぶポイント」についてお話しします。

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1.会社の規模は関係ない。希望エリア内にある会社が有利

田園都市線

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公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会によると、2018年度の宅地建物取引業者(宅建業者)は全国で123,782社にのぼり、どの事業者も「全国どこでも」物件を取り扱うことができます

ただし、その地域ごとにネットワークを持ち、未公開物件の情報を得やすかったり、物件を見学する際の移動時間が短縮できるなど、物件探しにはそのエリア内の不動産会社が有利であると言えます。

不動産のポータルサイトにはたくさんの物件が掲載されていますので、それだけで物件探しをすることもできますが、実はこのようなポータルサイトに掲載されている情報以外にも不動産会社はたくさんの物件情報や、地域の情報を持っている場合があるのです。

大手の不動産会社かどうか、小さい規模の不動産会社かどうかは問わず、まずは自分が住まいを探しているエリア内の不動産会社を選ぶことをお勧めします。

2.少なくとも2社以上は訪問してみよう

パソコン

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不動産の物件情報は、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムである「レインズ」に登録する義務があり、全国どのエリアの物件情報でも、免許を受けた「宅地建物取引業者」であれば、その情報を閲覧したり仲介したりすることも可能です。

しかし、このレインズも万能ではありません。

例えば、このレインズに登録する義務があるのは、売買または交換の「専属専任媒介契約若しくは専任媒介契約」を締結した物件だけです。

分かりやすく言えば、売買物件の場合、「一般媒介契約」を締結した場合や「宅地建物業者自らが売主の物件」などは登録義務がないということになります。

また、賃貸物件の場合は媒介契約の種類にかかわらずレインズへの登録義務がありません

これらのことから、少なくとも2社以上の不動産会社に物件探しを依頼しておくと、より幅広く物件情報を集められると思います。

3.不動産会社の得意分野を知ろう

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ほとんどの不動産会社ではそれぞれ「得意とする分野」があります。

主なものとして、「住宅・住宅用地の売買仲介専門」「賃貸の仲介専門」「事業用不動産の売買仲介・賃貸仲介専門」等がありますが、この他にも不動産業者自らが売主となって住宅や土地、マンション等の分譲を主にしている会社などもあります。

ホームページなどで各会社の大まかな得意分野を調べることができますが、実際に訪問する際は電話やメールなどで直接問い合わせをしてみましょう。

賃貸を得意とする会社に売買物件探しを依頼したり、売買を得意とする会社に賃貸物件探しを依頼するよりも、それぞれの不動産会社の特徴を知って自分のニーズに合った不動産会社を選びましょう。

4.免許番号を確認しよう

売却

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宅地建物取引業者は、「宅地建物取引業免許」を受けなければ営業が出来ません(※宅地建物取引士免許ではありませんのでご注意ください)。

賃貸・売買にかかわらず、この免許を受けていない事業者との宅地建物取引は決してしないようにしましょう。

この免許は、『○○県知事(若しくは国土交通大臣)免許(x)第xxxxxx号』(※xは各1~0までの数字)というかたちで表されており、この表記がない会社は要注意です。

ちなみに免許番号のうち(x)は、その事業者が免許を受けた回数を表しています。

免許は5年ごとに更新しますので、(1)ならその事業者が開業から5年以内であることが分かりますし、(2)なら開業から5年以上10年未満であることが分かります

国土交通省HPの「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、建設業者や宅建業者などの正式な名称や免許番号などが確認できるだけではなく、事業者の「過去の行政処分歴」も検索することができますので、一度確認してみてはいかがでしょうか。

5.自分のニーズをきちんと伝える

メモ

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せっかく自分のニーズに合った不動産会社を見つけても「あまり物件情報をもらえない」「少し過剰気味に電話連絡をしてくる」「自分のニーズに合わない物件ばかり紹介される」等、自分自身にとって不本意な営業をされる場合もあります。

そのようなときは、はっきりと自分のニーズを伝えましょう。

きちんとニーズを伝えることで希望物件が見つかりやすくなりますし、自分に適したサービスを受けることができます。

より良い住まいを手にするためには、自分のニーズに合った不動産会社を選ぶだけではなく「自分のニーズを不動産会社にきちんと伝える」ことがとても大事なのです。

※参考

国土交通省HP「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」

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