こんにちは、ライターの仁科友里です。
大きな声では言えないけれど、既婚男性と交際していたり、カラダの関係を持っていたりするという人もなかにはいるでしょう。
本気の恋なのか、それとも独身のカレができるまでのつなぎなのかは、人によってちがうでしょうが、今日は不倫の先にあるものについて考えてみましょう。
■不倫する男性の心理とは……
◇ヤリたい
セックスなら家にいる妻とすればいいと思うかもしれませんが、ずっと一緒にいるといろいろな意味で新鮮さが薄れますし、小さいお子さんがいるとそれどころじゃないということもよくあります。
若い女性の性的価値が高いことは説明するまでもないと思いますが、あわよくば若い女性と無料で(ここポイントです)ヤリたいという気持ちから、不倫に走る男性はいるでしょう。
◇帰る場所があるから、強気になれる
女性を口説いて、フラれたら傷つくでしょう。
しかし、妻子がいる場合、フラれたとしても「やっぱり、家庭を大事にしなきゃ」という言い訳ができるので、かえって強気にいける(そして、成功する)場合があります。
◇ゲーム感覚
いけないことだからこそ、ゲーム感覚でやりたくなる人もいます。
それにプラスして、日本社会では「女性経験が多いことは自慢になるが、男性経験の多い女性は疎まれる」という考え方が根付いています。
たとえばバラエティー番組で、売れてきたオトコ芸人がオンナ遊びについて暴露されることはあっても、オンナ芸人のオトコ遊びが話題にならないのはそのためです。
既婚男性がハマる女性の特徴は「身も心も無料で捧げてくれる」人
私は男女関係を見るときに、「男性は性的メリットを優先する」「男性の判断には、性的メリットが絡む」という仮説から考えることにしています。
この説から考えるのなら、既婚男性は無料で身も心もささげてくれる独身女性のことは、みんな本気だと思います。
なぜなら、結婚できる可能性は限りなく低いのに、自分のことを好きでいてくれるなんて、天使ですよね? 不倫の恋ほどだらだら長引いたり、なかなか別れられなかったりするのは、男性側が本気だからだと思います。
しかしこの本気とは、あくまでも、「家庭を壊さない」という前提での本気であり、結婚したいかというとちがう気もします。
みなさんのまわりを見渡しても、不倫から結婚したという人はマレでしょう。
■「日野OL不倫放火殺人事件」から読み解く、不倫の末路
1993年に東京都日野市で起きた不倫がらみの殺人事件をご存じでしょうか? オトコのズルさやオンナの一途さがつまった「ザ・不倫」というような事件ですので、ちょっとご紹介しましょう。
日野市のあるマンションの一室が放火され、寝ていた幼児二人が焼死しました。警察が調べたところ、犯人はこの家の男性と不倫関係にあった独身女性A。
男性Bが出勤する時間を見計らって家に侵入し、ガソリンをまいて火をつけたのです。幼い子どもをターゲットにするあたり、強い怨恨が感じられます。当初は、鬼のようなオンナだと報じられましたが、事件の詳細が明らかになるにつれ、犯人を擁護する声が上がっていきます。
放火したAと既婚男性Bは、職場の上司と部下という関係でした(男性が上司)。仕事で同じ時間を過ごすうちに、2人は惹かれ合い、とうとう体の関係を持つようになります。Aは恋愛経験がなく、Bは初めての男性でした。そのうちにAが妊娠しましたが、産むわけにはいかないので、中絶することになります。
通常、こういう苦い経験は不倫をやめるきっかけになるのですが、Aは決心がつきませんでした。Bの言葉を真に受けていたからです。
『その時殺しの手が動く 引き寄せた災、必然の9事件』(新潮文庫)によると、この男性は
「妻が交通事故で死ねばいいと思っている」
「妻とはセックスしていない」
「会社をやめて、2人で事業を興そう」
と、妻との不仲、離婚をにおわせていましたが、すべて嘘でした。警察の取り調べに対し、男性は「妻とちがい、肉体的にも豊乳でしたし」「肉体関係を維持したかったので、つい……」とカラダ目当てであることを白状しています。
この男性に限らず、ある程度の人生経験があれば、「不倫オトコは別れたくないから、適当なことを言っているな」と気づきますが、なんせAは若く、初めての恋愛ですから、そんなウソを見抜けるわけがない。
「奪える」とばかりに、Bにのめりこんでいきます。
実際に脱サラを視野に入れて、資格の勉強もはじめていました。Bは避妊をしてくれないので再び妊娠し、また中絶手術することになります。
一方のBは「妻とはセックスしていない」と言いながら、Aとの不倫中に妻との間に子どもが生まれていますし、事業を興す準備もしていません。
それどころか、奥さんにAの存在がバレると、すぐに家庭に戻っています。
AはBにもてあそばれたことに気づいたことから、犯罪に手を染めてしまうのです。誰が被害者で誰が加害者なのか、よくわからない事件ともいえるでしょうが、不倫というのは一歩まちがえると、こんな事件になってしまうこともあることを忘れてはいけないと思います。
特に結婚願望のある女性は、既婚男性と関わらないほうがいいです。
婚活において、若さは重要な要素ですから、なんの見返りもない既婚男性に時間をくれてやる必要はないと私は思います。
■不倫から略奪婚できる稀なケース
しかしながら、不倫略奪婚をする人もごくわずかながら、いないこともないのです。単なる不倫で終わってしまう人と、そうでない人、どこがちがうのでしょうか。
◇本当に奥さんとうまくいっていなかった
男性側が本当に離婚しようと思って、婚活として不倫をし、そこから結婚する例はあります。
単なる不倫とどこがちがうかというと、男性が積極的に離婚などの手続きを進めていること。ひと言でいうと、タイミングでしょう。
◇不倫相手が、奥さんよりも大分若い
男性が若い女性が好きというのは、みなさんなんとなくご存じだと思いますが、上述した仁科仮説「男性の判断には、性的メリットがからむ」から考えると、不倫相手のほうがメリットのある存在に見えるのではないでしょうか。
◇不倫相手の社会的ステイタスが高い
売れたミュージシャンが、売れない時代を支えてくれた一般人の彼女を捨て、女優、アイドル、ミュージシャンなどの女性芸能人と再婚することはよくある話です。
ここでまた仁科仮説を思い出してほしいのですが、女性芸能人は性的価値の高い存在です。
「性的メリット」を重んじる男性にとって、支えてくれた一般人の女性よりも、性的価値の高い芸能人のほうが価値あるものに感じられてしまうのかもしれません。
■不倫のリスクとは……
単なる不倫止まりでも、不倫略奪婚できても、リスクは相当高いのではないでしょうか。具体的なリスクについて見てみましょう。
◇慰謝料を請求されるかもしれない
夫が不倫をすると、妻は「貞操権が侵害された」として慰謝料を請求することができます。
実際に払うべきなのかどうかはケースバイケースでしょうが、不倫というのは一種の法律違反であることを忘れてはいけません。
奥さんが会社に怒鳴り込んできたというケースもあるそうです。
◇同じ職場の場合、仕事に影響することもある
社風にもよりますが、芸能人の不倫でもわかるとおり、不倫の際に悪く言われるのは女性です。
たとえば派遣社員の人は契約を切られてしまう可能性がないとは言い切れませんし、社員であっても不利益を被ることはあります。
◇自分も不倫される可能性がある
独身女性を口説いてセックスに持ち込むという成功体験を持つ男性が、再びちがう女性と不倫しないとは言い切れません。
因果応報という言葉どおり、今度は自分が苦しむのかもしれないのです。
恋愛をする相手は、自分の心と身体、未来を託せる人に
誰かを好きになることは素晴らしいことですが、仮に既婚者を好きになったとしても、超えてはいけない一線があるのではないでしょうか。
「別に結婚したいわけじゃないから」と正当化する人もいますが、女性ばかりがリスクを背負う関係は健康的とはいえません。
結婚するかしないかは別として、自分の心と身体、そして未来を託せる相手と恋愛をしてほしいと思います。
(仁科友里)
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