「反社会勢力からタレコミやリークをもらって報じたのだとしたら、反社会勢力と付き合った芸人と同じくらい問題なのではないか」。

 事務所を通さない、いわゆる"闇営業"で詐欺グループの会合に参加していたとして、吉本興業が宮迫博之ら所属芸人11人を、また、ワタナベエンターテイメントが、ザブングルの松本陽介と加藤歩をそれぞれ謹慎処分にすることを発表した問題。一連の騒動をめぐる報道に対し、24日放送のAbemaTVAbemaPrime』に出演した幻冬舎編集者・箕輪厚介氏が強い不快感を示した。

 MCのカンニング竹山は「僕が所属しているサンミュージックはもともと歌い手さんや俳優さんの事務所なので、事細かな契約書が存在する、しかし、特にお笑いだけのプロダクションの場合、実は契約書がなく、芸能界の昔からの習わしのような"預かり"という立場になっている。その上、事務所によってはギャラがすごく安い時は直営業でいいよということもあるし、いくら以上だったら事務所を通して、ということもある。やはりタレントさんやプロダクションごとにやり方が違う。今回は吉本さんの話だから、細かい所がわからない部分もある。ただ、解雇になった入江君と喋ったが、本当に知らなかったと言っていた。処分を受けた芸人の中には知り合いもいるが、やっぱり本人たちは相手が反社会勢力だということは本当に知らなかったようだ。それでも芸能界にいる人なら反社会勢力と付き合ってはいけないこと知っているはずだし、一切付き合わないようにしている。飲み屋で来られても、"困りますから"と断っている。ただ、そもそも興行というのはヤクザと仕事をしていた。そういうのはやめようとなって、どんどん切っていった。タレントという職業は一番つながりやすいし、利用もされやすい。だからこそ芸能プロダクションが存在する」と話す。

 箕輪氏は「"闇営業"というのは、要は副業のようなもの。会社に知らせずに直営業したことで解雇と言われれば解雇だし、いいといえばいい。世の中が騒ぐことではない。入江さんとはそんなに仲が良いわけではないが、確かに知り合いだったし、"出版界の知人"として、彼の2000人の友達の中に僕も入っていた。本人とも電話で話したが、人間ってこんなに落ち込むのかなというくらい落ち込んでいた。ただ、入江さんは会場で"これ、誰のパーティ?"って聞いてくるくらい、何の深さもなく、どこへでも行く人。良い意味で悪い意味でも、そういう軽薄さから人脈が増えていったんだろうし、その中に反社会勢力のようなものが含まれていることに気づかず、罪の意識もなかったんだと思う。それでも反社会勢力とのつながりが一発でアウトになる世の中。先輩まで巻き込んで、それくらいのことをやってしまったんだと思う。見るからに反社会勢力のような人たちだったし、そこは気の毒とも思わない」とコメント

 「本当のところはわからないが、反社会勢力が事務所を脅して証拠写真を買い取らせようとしたり、週刊誌に売ろうとした可能性がある。出版社が反社会勢力から写真を買ってニュースにするって、どういうビジネスなんだろうと思う。また、反社会勢力が"あいつらギャラもらってましたよ"と嬉々として語る証言を記事にしている。お前ら反社が何を偉そうに語ってるんだと思うし、それらのコメントを載っけて金を稼いでいる出版社の社員も、お前らなんなの、気持ち悪い、と思う。反社会勢力はアウトだという論理なら、そこから写真を買うなんて報道じゃない。意味がわからない。それで芸能人が干されることがまかり通ってしまう世の中はおかしいと思う」。

 さらに箕輪氏は「僕に来る講演や対談の依頼については、秘書と一緒に相手のホームページなどを調べるなどしているが、反社会勢力が俺を貶めようと思って依頼してきたトラップだったとしたら、防ぐのは無理だと思う。現実的にはひとつひとつ契約なんて結んでいられないし、その状況で引っかかった方が悪いと一発でアウトになってしまえば、それこそ反社の思う壺だ」と訴えた。

 国政政治学者の三浦瑠麗氏は「週刊誌というのは取材する中で"クサイね"と調べに行くのではなく、タレコミがほとんどだし、それは利害関係がきっかけだったりする。でも、やっぱり週刊誌はそれに乗っかる。例えば政治家がいかがわしい人と握手している写真が出回ることがあるが、参加したパーティーに誰が来ているかまではわからないし、主催者側も精査できていないことがほとんどだ。金銭スキャンダルにしても、ある日いきなりパーティ券の代金の口座に振り込まれてきたりするので、よほどしっかりチェックしている事務所でないとそのままにしてしまう。芸能界だけではなく、いわば詐欺に弱い業界と反社会的勢力のありかた、そしてマスコミがどうつながっているか問題は意識しないといけない。テレビのギャラだって、9割方はあとで交渉してくる。一体どういう感覚だろうと、正直思う。『AbemaPrime』だってそうだけど(笑)。とにかくメディアって、時給換算でこれだけしか払えないが…というような感覚がないし、"出してやってる"という感じでちょっと偉そう」と指摘。「政治家の場合は一線を画さないといけないが、仮に芸能人が反社会勢力の人と幼馴染だったとして、仕事とは関係なく、利益も全く提供していなかったとしても、会ったことが分かったら謝らないといけないのだろうか。つながりがあっただけ、一度会っただけでもアウトみたいなのはちょっと違うと思う」と話した。
 

 また、慶応大学特別招聘教授の夏野剛氏は「やはり新しい暴対法ができて以降、反社会勢力は銀行口座ひとつ作れないし、本当に社会で生きづらくなっている。一方、企業は反社会勢力だと知らずに付き合ったとしてもアウトになる。だからこそ企業としては何も出てこないところとしか取引しないことになっている。僕自身、リスク管理のために講演依頼などは必ず間にイベンターが入っているケースしか受けない。公的な影響の大きい人は不倫同様、やはりスキャンダルになってしまう。だいたい、報道が"芸人の闇営業"を問題にしているが、雇用契約が無いような事務所においては罰する規定すらないはずだ。出版業界でも角川くらいしか上場していないし、製作委員会を作っても"契約を結びたくない"という、20世紀のカルチャーで生きている人たちがまだいる。ビジネスの世界も、政界ですら21世紀のやり方になっているのに、メディアの古い報道のあり方が、反社会的勢力という20世紀の勢力を結果的に助けてしまっていると思う」との見方を示した。
 

 こうした意見を受け、カンニング竹山は「テレビ業界も芸能関係も、新しいやり方にちょっと遅れているのは事実。今回、もし反社会勢力から写真を買ったのだとしたら酷いし、正義なのか?と思う。誰がなんのために、いくらで売ったのか。そこまで表に出してくれと思う。反社会勢力の片棒担いでるのだとしたら、書いた人の名前も出しなさいと思う。本音ではそうだけど、我々は表に出るのが仕事なので、批判を受けることはしょうがない。仮に僕の親友に反社会勢力がいたとして何が悪いんだとも思うが、結局は自分がメディアに使われなくなる。それが現実。だから個人でやるときはやっぱりリスクを考えながら仕事をしないといけない。何度も世話になっている人、仲の良い人が、相手のことを知らなかったのに5年前のことで記事にされて、気の毒だと思うけどしょうがない。ただ、芸能界は反社会勢力との仕事はしないということはわかってほしい」と訴えていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

▶放送済み『AbemaPrime』は期間限定で無料配信中

吉本芸人らの解雇・謹慎に箕輪厚介氏「メディアが反社会勢力から写真を買ったのだとすれば気持ち悪い」