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大阪のある大学で「あってはならない行為」が行われていたとして、ネット上では非難が殺到している。しらべぇ取材班は関係各所を直撃した。

 

■「あなたは要らない」

問題となっているのは、大阪府にある追手門学院大学。2016年8月に開かれた外部講師による職員18人が出席した研修会で、受講者が不適切発言を受けていたことが分かった。

その発言の内容とは「腐ったミカンを置いておくわけにはいかない」「負のオーラばかりだ」「あなたは要らない」「参加する意欲、姿勢が曇っている」などというもの。

なお、大学は研修が行われた日に不適切発言と認識し、研修を担当した外部委託先に対して改善を申し入れたという。

 

■退職や休職する人も

不適切発言と認識し行動に移したものの、研修後も講師や学院幹部に呼ばれて「退職勧告書」を渡された人もいたそう。結果として翌年度に少なくとも数人が退職、休職することに。大学はホームページ上で、

「学修者本位の学院の実現には主体性が求められ、消極的な受講姿勢を指導した発言です。改善後、講師は称賛のフォローをしています。受講者の研修後のレポートでも『多くの学びが得られ、参加してよかった』との感想が述べられています。

 

今後はより一層教育の役割が重要になることは明白です。学校は教職員本位から学修者本位へと転換し、誰よりも教職員一人ひとりがそれに応じた使命と責任を果たさなければなりません。このことを肝に銘じ引き続き学生・生徒・児童・園児の成長支援にまい進していきます」

 

と理事長がコメントした。

■私学補助金が減額や不交付の可能性

大学の広報担当はしらべぇ編集部の取材に対して「パフォーマンスが低い職員に対して、パフォーマンスを高めて貰うために研修を行った。この件を文科省に報告は行っていない」と話した。

また、私立大学等経常費補助金取扱要領には、「学校法人の運営が適正を欠く場合、補助金の減額や不交付になる」と明記されている。

文科省私学助成課は、「一般的に言うと、大学のガバナンスに問題がある場合、私学助成金交付に影響をもたらす。また該当するような事案が発生した場合、大学側から報告がある」と回答。

他の大学関係者は「今の時代に有り得ないこと。時代錯誤も甚だしい」と追手門学院大学の姿勢を厳しく非難した。

 

■大学の経営状況は大丈夫!?

ネット上では、講師と大学に対する非難の声があがっている。

「人を教育するところが、一番腐ってる。これからの日本大丈夫?」

 

「法律に違反しないと言うが、法律を知らない腐ったコンサルに腐った依頼主ということだろう」

 

「こんな辞めさせ方は昔はよくあったと聞くけど今はマズイでしょうね」

 

未来を担う教育機関の荒廃を痛感させられる。「教育という名の壁」で守られていたものが、SNSの発展で隠しきれなくなっている今、そこに気づかないと手遅れになるだろう。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

大学での「あなたは要らない」発言に非難集まる 「人を教育するところが一番腐ってる」