生活ガイド.comが選んだユニークな都市宣言を発表している17市の中から、生活ガイド.com会員10代~80代の男女253名の投票によって、「全国のユニークな都市宣言ランキング」が決定しました。

都市宣言とは、各自治体が、生活環境の整備や市民のモラルの向上をはかるため、目指すべき理想の姿や目標を意思表明することです。どんな都市宣言が選ばれたのか、第10位から見てみましょう。

第10位 おっぱい都市宣言 山口県光市


おっぱい都市宣言

1 私たちは、おっぱいをとおして、“母と子と父そして人にやさしいまち光”をつくります。
2 私たちは、おっぱいという胸のぬくもりの中で、子どもをしっかりと抱き、愛しみ、心豊かで健やかな輝く光っ子を育てます。
3 私たちは、すべての母親のおっぱいが、より豊かに赤ちゃんに与えられるよう皆で手助けします。
4 私たちは、おっぱいを尊び、偉大なる母を皆で守ります。

平成17年6月30日

山口県光市より抜粋

少子化核家族、未婚により、人口減少が進む日本で、「みつめ だきしめ かたりあう」を基本理念に掲げる山口県光市。人間関係が希薄になっていく中で、「おっぱい」ということばは、ほっとする暖かさを感じますね。幼少期に親にしっかり胸で抱きしめられ愛された時期があると、人を信じ愛することが出来る人間に育つでしょう。山口県光市は「おっぱい育児」を通して、 地域への愛着や誇り、豊かな心をもった「心温かい人」が育つ住み続けたい町を目指しています。

第9位 嬉野市ウェルカム!ほじょ犬宣言 佐賀県嬉野市


2017/8/23
■市と組合宣言 他団体にも呼び掛けへ 嬉野市嬉野温泉料飲店組合(96人、小野原博組合長)は22日、補助犬と使用者に気軽に嬉野へ来てもらおうと、共同で「ウエルカム!ほじょ犬宣言」をした。

佐賀新聞Live

ハンディキャップのある方の大事なパートナーである補助犬。飲食店では「ペットお断り」の店が多いですが、ペットではなく、なくてはならない大事なパートナーですから、入店を受け入れる姿勢は嬉しいもの。補助犬を連れた方も気軽に飲食を楽しみ、人生を楽しむ権利があります。他の都市にも、広がっていくことを祈ります。

第8位 せせらぎ宣言 山形県寒河江


山形県寒河江


寒河江市せせらぎ宣言(平成6年6月24日制定)

寒河江市は、寒河江川をはじめ多くの清らかな川に包まれた美しいまちです。この祖先から受け継いできたさわやかな瀬音が聞こえる自然と環境を保全し、将来に継承していくことが、私たちの重要な責務です。
私たちは、一人ひとりが清流を守り、育て、川、水を生かし、せせらぎに彩られた潤いと活力に満ちた寒河江市を創造していくことを決意し、ここに、「せせらぎのまち・寒河江」を宣言します。

山形県寒河江市より抜粋

朝日連峰と月山のブナの森林に蓄えられた水が注ぎ込む寒河江川は、平成7年に清流日本一(国土交通省)に選ばれている美しい川。便利さや企業利益が優先になり、人間の手で環境破壊が進む中、寒河江市のように、自然の遺産を守っていくという強い意志を持たなければいけませんね。自然の恵みの偉大さや恩恵を、私たちは忘れてしまうことが多いからです。


第6位 無雪都市宣言 新潟県長岡市


新潟県長岡市 棚田

無雪都市宣言(昭和38年10月9日)

長い歳月、市民に苦悩と不測の損害を与えてきた雪害を雪国の宿命と諦観することは、いまや今日の経済情勢又は社会生活上それは許され得ないことであります。本市で昭和36年において試験的に施設した地下水利用による消雪パイプ施設は予期以上の効果を上げ、そしてこれが昭和38年1月豪雪に際しても、偉大な威力を発揮して道路交通の確保に至大な役割を果たしたのであります。全市を挙げて無雪化することを決意し、更に全市民の最大の努力と英知を結集して永遠に雪害を排除し、長岡市全域にわたって無雪のもたらす恵沢を確保しようとするものであります

新潟県長岡市より抜粋

雪国新潟の冬といえば、思い浮かぶのは深い積雪。自然環境とはいえ、雪国の人にとっては、危険と隣り合わせの恐怖で、交通も遮断されてしまいます。地下水利用による消雪パイプ施設により、過去の雪害が改善しました。雪国の「無雪都市宣言」には、強い決意と切なる願いが感じられますね。

第6位 あいさつ日本一宣言都市 福岡県みやま市


あいさつ日本一宣言都市

人間関係を結ぶ、また人間としての基本である元気なあいさつを市民一人ひとりが意識し実践するなら、家庭や学校、職場や地域が明るくなり、人の温もりを感じるみやま市になると考える。よってここにみやま市を「あいさつ日本一宣言都市」とすることを宣言する。


福岡県みやま市より抜粋

挨拶はコミュニケーションの基本。きちんとした挨拶は、気分が良いものです。朝に笑顔で挨拶し合うと、良い1日が始まる気持ちになりますよね。また、子供がハッキリと大きな声で挨拶出来ると、親の躾(しつけ)の良さを感じるものです。携帯電話に夢中になって知人がいても知らん顔、挨拶もロクロク出来ない人間になっては困りますね。

第5位 「70歳代を高齢者と言わない都市 やまと」宣言 神奈川県大和市


「70歳代を高齢者と言わない都市 やまと」宣言

・「人生100年時代」を迎える超高齢社会では、一般に65歳以上を高齢者とする固定観念を変えていくことが必要です。
・支えを必要とする方には手を差し伸べながら、この世代の方々が、個々の意欲や能力に応じて、いつまでも生き生きと活躍していただきたいと考え、「70歳代を高齢者と言わない」ことを宣言します。

平成30年4月11日


神奈川県大和市より抜粋

健康寿命という「日常生活に支障のない期間」は、男性71.19歳、女性74.21歳(平成26年現在)で、日本は世界のトップクラス。70歳代はまだまだ元気で、人生を楽しめます。それなのに「高齢者」と言われると、テンションが落ちてしまいますね。神奈川県は誰もが100歳まで元気で、社会から必要とされる「生涯現役」であるとの認識を広めていく必要があるとしています。


第4位 「鯖を愛するまち」宣言 福井県小浜市


鯖街道

小浜市「鯖を愛するまち」宣言

1.鯖を「愛する」
  将来にわたって、小浜に根付く鯖を美味しく食べる文化を愛し、継承していきます。

2.鯖を「守る」
  減少する鯖の資源を守るために、小浜で獲れた鯖の価値を高めるとともに、適切な資源管理の推奨に努めます。

3.鯖を「伝える」
  鯖街道の歴史と鯖の魅力を、食のまちづくりを標榜する小浜市として全国に向けて発信していきます。

平成29年3月3日


福井県小浜市より抜粋

福井県小浜市は、京都へと続く「鯖街道」の起点で、「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国若狭と鯖街道~」として、国から日本遺産に認定されています。鯖街道熊川宿は、若狭と京都を結ぶ鯖街道の中継地点にあり、江戸時代には宿場町として栄えました。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、当時の面影を残す町並みは訪れてみたいもの。当時を偲ばせる鯖寿司や、流行りの鯖サンドが頂けるカフェもあります。「鯖好き」の筆者はいつか訪れてみたい場所です。

第3位 サーモンランド宣言 岩手県宮古市

岩手県宮古市 宮古鮭まつり
(C)finchfocus / Shutterstock.com 

サーモンランド宣言

宮古市は、鮭が生まれ、旅立ち、回帰する海や川、それを育む森がある自然豊かなまちです。私たちは、本市の将来像「森・川・海とひとが共生する安らぎのまち」を基調としながら、鮭のごとく力強く活動するまち、心の豊かさやゆとりを実感できるまちを築くことを決意し、本市全域を『サーモンランド』と呼ぶことを宣言します。

平成19年1月1日


岩手県宮古市より抜粋

第3位は、10代、20代の若者層から支持を受けた、本州一の鮭の水揚げ量を誇る、岩手県宮古市の「サーモンランド宣言」でした。「鮭が川を上る時の力強さは凄まじいと思うので、応援したいと思いました!(20代女性)」というコメントも。古文書等にも関わりが伝えられるほど、宮古におけるサケと人との出会いは古いもの。なぜ鮭の町なのかは、下記のマンガをご覧いただければ分かります

>>>なんで宮古はサケのまち? 岩手県宮古市

第2位 忍者都市宣言 三重県伊賀市


伊賀市「忍者市」宣言について

伊賀市は伊賀流忍者発祥の地として早くから忍者に着目するとともに、忍者を広く発信してきました。そこで忍者の歴史や精神を継承するとともに、その認知度を国内だけでなく、世界へとひろめるべく忍者を活かした観光誘客やまちづくりを進める目的で、「忍者の日」である2月22日、「忍者市」宣言を行いました。

平成29年2月22日

三重県伊賀市より抜粋

第2位は、意外にも男性票より女性票を多く集めた三重県伊賀市の「忍者市宣言」でした。伊賀忍者で有名な市内各所で忍者衣装がレンタルできたり、伊賀上野NINJAフェスタが開催されたりと忍者を使った観光PRも盛ん。忍者は世界的にも有名で、子供向けのアニメ「忍者タートルズ」もロングセラーの人気。大々的に広まれば、国内はもちろん、海外旅行客の誘致が出来ることでしょう。

第1位 おはよう朝ごはん宣言 山梨県北杜市




山梨県北杜市

第1位は、北杜市の「おはよう朝ごはん宣言」でした。健康診断の問診結果などから、朝ごはんを摂取しない習慣が若年層に多く見られた状況を改善しようと、市内の小中学生を対象に「朝ごはんコンテスト」を開催、「おはよう朝ごはん宣言」を行ってから、中学生の朝食摂取率が87.9%から88.5%と0.6ポイントUPしたというデータも出ているそうです。山梨県北杜市は山々に囲まれた自然豊かな環境で、日本名水100選にも選ばれたおいしい水があり、お米の名産地ですので、美味しい朝ごはんが食べられそうですね。

投票の男女比では男性票が多く、年代は40-50代が多く見られました。朝ごはんの大切さを実感しているようです。ヘルシーな生活を送るために、朝の時間がない中でも、朝ごはんを食べる時間は捻出しましょう。

全国のユニークな都市宣言ランキング トップ10 


(C) PR Times

【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査期間:2019/04/02~2019/05/06
調査対象:生活ガイド.com会員253名 10代~80代の男女

 [生活ガイド.com]

それぞれの地域性がうかがわれる都市宣言

各々ユニークな都市宣言には、地域性がうかがわれ、また目指すまちづくりを示しています。結婚や育児で引っ越しを考える時にも参考になりそうですね。

『【特集】ちょっと面白い都道府県ランキング!愛すべき47の県民性』では、この他にも気になる都道府県トリビアが満載!ぜひチェックしてみてくださいね。



参考
[寒河江川流域の概要|最上川ダム統合管理事務所]
[日本は世界一の高齢社会 公益財団法人長寿科学振興財団]
[忍者に太極拳 ? ! 全国のユニークな都市宣言ランキング]
[山梨県北杜市の「おはよう朝ごはん宣言」が1位を獲得!全国のユニークな都市宣言ランキングトップ10を発表]


[Photos by shutterstock.com]