現在、テレビドラマ「パーフェクトワールド」での好演も話題を集めている山本美月さん(27)

山本美月
山本美月さん
 スクリーンでは週刊ヤングマガジン連載の人気コミックを岡田准一さん主演で実写映画化した『ザ・ファブル』が公開中です。山本さんは、伝説的な殺し屋“ファブル”ことアキラが休業して普通の生活をするなかで出会う、優しい女性ミサキを演じています。

 岡田さんや、過去にドラマアオイホノオ』やウェブドラマ『銀魂2』でも共演している柳楽優弥さんの印象など、本作のことはもちろん、17年に卒業した『CanCam』モデル時代にあった葛藤などを伺いました。

「この人についていけば間違いない」

――世界観もキャラクターも濃いなかで、ミサキという女の子をどう演じようと思いましたか?

山本美月(以下、山本):ミサキは一番普通の子ですよね。みんなが個性的なので、自然にいれば普通になるので、そこは特に意識はしませんでした。ただ、すごく素直でいい子で優しい子ですけど、いい子すぎて人に騙されやすくなったりする部分があるのかなと思いました。難しかったのは関西弁です。音源をいただいて練習して、現場でも先生についてもらって挑みました。

――現場はどんな雰囲気でしたか?

山本:アクションのときはみなさん必死ですし、そんなにおしゃべりしている余裕もありませんでしたが、ミサキが働いていて、岡田さん演じるアキラアルバイトに入るデザイン会社の撮影現場はみんなでわいわい楽しかったです。私が好きなアニメマンガの話をしていたら、佐藤二朗さんに「お前は二次元しか愛せないんだよ」とか言われてました(笑)

――岡田さんはどんな方でしたか?

山本:ご自身では「怖いと思われがち」とおっしゃってたんですけど、私は1度もそんな風に思いませんでした。話していないときでも優しさを感じて、たとえばNGを出したとしても、精いっぱい頑張っている部分を受け止めてくださる方だと感じました。

 アクションシーンでは、岡田さんがアクションを考えている部分もあって。現場を引っ張っている姿が安定感抜群で、「この人についていけば間違いないな」というオーラが凄かったです。どんなに頑張っても、あんなアクションは絶対にできないですが、お芝居に対する姿勢は見習いたいと思います。

山本美月が苦手なこと

ファブル
© 2019「ザ・ファブル」製作委員会
――『アオイホノオ』や『銀魂2』でも共演した柳楽優弥さんが、今回は出所したてのデンジャラスメーカー・小島役です。全く違う関係性での再共演でしたね。

山本:柳楽さんはすごく役に入り込まれる方で、本番はとても怖かったんです。でもカットがかかると、すぐにいつもの優しい柳楽さんご本人に戻られるんです。小島とのシーンで、腕を無理やり引っ張られるところがあるのですが、外からはすごく引っ張っているように見えるんですけど、実際には優しくて全然痛くないんです。

アオイホノオ』や『銀魂』のときも、ボケたあとにカットがかかると、ご本人に戻って笑われたりするのですが、その感じが前からすごく好きだったので、今回もカットがかかった瞬間の切り替えを見るのが楽しみでし(笑)

――殺し屋として生きてきたアキラは普通を知りませんが、山本さんが、自分は普通だと思っていたのに、周囲から指摘されて普通じゃなかったと気づいたことはありますか?

山本:ちょっと違うかもしれませんが……。私、リズム感がなくて、手拍子の裏が叩けないんです。それでダンスもダメなんです。

 この間、ある現場でみんなで体をくねらすウエーブみたいなことをやってたんです。リズム感ないし、ダンスもダメだとは思っていましたが、ウエーブに関してはできていると思ってたんです。そしたらみんなに「ワカメだ」って言われて。全然できてなかったらしくて、悔しかったです(苦笑)。

「CanCam」モデルのイメージに葛藤

山本
© 2019「ザ・ファブル」製作委員会
――山本さんご自身について教えてください。大学を卒業されて、仕事1本になったとき、意識は変わりましたか?

山本:逃げ場がなくなったなとは思いましたが、もともと芸能界でやっていこうと決めて東京に出て来ていたので、卒業で特別何かが変わったということはなかったです。

――2009年から務めていた「CanCam」専属モデルを、17年に卒業しました。このことは大きかったですか?

山本:そうですね。途中から、「CanCam」モデルを演じている部分があったんです。私は「スイート」なファッションを担当することが多かったのですが、そのイメージと本当の自分とがかけ離れているのではないかと悩んだ時期がありました。

 でも、あるとき「『CanCam』モデル山本美月を演じていけばいいんじゃないの?」とアドバイスされたことがあって、そこからは悩まずにできるようになりました。

――スイートなかわいらしいイメージはご自身とは違う。

山本:違いますね。女優としても、そのイメージがくっついてくる役柄をいただくことが多かったので、早く別の役もやりたいなと思っていました。

――では今はそこから脱皮して、幅が広がった感じですか?

山本:まだだと思います。これからはそのイメージを壊していけたらと思っています。

心がけているのは「常に新鮮に臨む」こと

山本美月

――お仕事を続けていくうえで大切にしていることを教えてください。

山本:新鮮味を持ち続けることでしょうか。台本を読むときも、現場でも、常に新鮮に臨めたらと思っています。それから、ひとりではなく、対人でお仕事をしていることを忘れないようにしたいと心がけています。

――気持ちがダレてしまいそうなときもありますか?

山本:もちろんあります。それは仕方ないことだと思います。あまり自分を追い込みすぎず、でも心がけを忘れずにいたいと思っています。

――最後に、公開へのメッセージをお願いします。

山本:青みがかかった画面の感じとか、音楽とか、オープニングからとてもオシャレです。真夏の暑い中で撮影したのに、汗臭い嫌な感じが画面から出ていなくて、キレイなかっこいいアクションになっています。でも心の熱さは感じるし、それだけじゃなくて、切なさやいろんな感情を与えてくれる作品だと思います。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

【望月ふみ】

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異

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