2019年中華人民共和国成立70周年であり、日本では「令和」の新時代を迎えた。日本のメディアは概して、このような中日両国の発展史における重要な節目の年を、中日関係の新たな「突破口」とし、新たな発展のための好機とすべきであるととらえている。今この時、習近平国家主席が6月末に大阪で開催されるG20サミットのために来日するとのニュースが大きな注目を集めている。(文/『人民日報海外版日本月刊』編集長・蒋豊)   
一部の日本のメディアは、習近平主席のG20サミットへの参加は、国家主席就任後、初の訪日となるだけでなく、G20サミットの初の開催国となった日本に対する支持の表れであり、これは日中関係改善のための最良の機会となるであろうと指摘している。
長年、中日友好に尽力してきた元文部科学副大臣で東京大学教授の鈴木寛氏は、メディアの取材に答えて次のように述べている。「日中関係は新たな段階に入っています。日本の科学技術・教育界は習近平国家主席の訪日に熱い期待を寄せています。今回の訪日は正式訪問ではないものの、大きな意義をもつものです。日中両国は新たな戦略的共通点を探るべきです。この100年間見られなかった世界の構造変化の下で、我々は科学技術分野の協力から着手し、新たな日中関係発展の起点とすべきです。現在、日本のノーベル賞受賞者のほとんどの研究室に中国人留学生が在籍しています。彼らは日本のみならず、アジアノーベル賞受賞者なのであり、日中関係の発展にしかるべき貢献を成し得るものです」。
東京理科大学学長で、ノーベル化学賞の有力候補とされる藤嶋昭教授は取材に応じこう述べている。「私は習近平国家主席が就任後、『イノベーション』をたびたび提唱していることに注目しています。これは非常に重要なことであり、これまで中国では見られなかったことです。中国が科学技術者が従事する事業を『イノベーション』としたことは、科学技術の発展という方向性を示したことを意味します。私は『イノベーション』を掲げる習近平主席の訪日が早く実現し、日中の科学技術交流が促進されることを期待しています」。
科学技術振興機構の濱口道成理事長はメディアに対し「科学技術振興機構は中国との科学技術交流を重要視しており、機構内には中国との交流を担当する部門が設けられています」と語り、さらに「我々は習近平国家主席の訪日を歓迎し、日中両国が科学の分野で協力するという新たな局面を積極的に創出し、両国の研究者の共同研究が可能な環境が構築されることを願っています」と強く希望した。
21世紀に入って、日本の中部地域に位置する名古屋大学は、6名のノーベル賞受賞者を輩出している。同大学の松尾清一総長はメディアの取材に答えて、「習近平国家主席が来日された際には、ぜひ名古屋大学にもお立ち寄りいただき講演を行っていただきたい。ノーベル賞受賞者である野依良治教授や天野浩教授と歓談していただき、また、彼らのもとで学ぶ本学の中国人留学生たちと、日本の学生も交えて対話をしていただければ、これからの日中間の交流に、はずみがつくのではないかと大いに期待しています」と語った。
さらに、松尾総長は東京の中国駐日本国大使館を訪ね、当時の程永華駐日大使に招聘状を手渡すとともに、トヨタ自動車、三井物産等の有名企業や商社とともに、学内に「習近平主席訪日歓迎後援会」を設立した。
ノーベル賞受賞者である名古屋大学の天野浩教授はメディアの取材に次のように答えた。「習近平主席はイノベーションを提唱するだけでなく、イノベーションによる成果を社会、国民の幸福に積極的に還元しています。科学研究の成果は種子のようなものです。しかし、種子だけでは何の役にも立ちません。科学研究の成果がどんなに優れていても、実用化できなければ発芽しない種と同じです。私も習近平主席の名古屋大学訪問を願っています」。
ノーベル賞受賞者で、名古屋大学特别教授、科学技術振興機構研究開発戦略センター長、中国科学院外国籍院士の野依良治教授は「私は習近平主席が繰り返しアジアの問題を論じている点に注目しています。我々はアジア文化の特殊性を大事にしなければなりません。そうすることによって、人類の文化の基盤を補完し、崩壊のリスクを低減させることができます。私が特に習主席に提案申し上げたいのは、中国、日本、韓国を中心とした漢字圏の科学技術振興です。文字の国・中国の方の指導を仰ぎつつ、まず共通の漢字の術語、専門用語の辞典をつくって、漢字圏の国家への浸透を図ってはどうでしょうか。それによって起こる『化学反応』に期待したいと思います」と述べている。
同じくノーベル賞受賞者で、東京大学教授、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏は「習近平主席の来日は、日中関係が新たな段階を迎えたことを象徴する出来事であり、両国国民にとって大変喜ばしいことです。我々も大いに期待しています。習主席が就任後、何度も『イノベーション』という言葉を強調し、実際に中国でどんどんイノベーションが起こっているのは本当に素晴らしいことだと思います。私は日本の研究者として、今日の中国の科学技術の発展を目にしたとき、しばしば、日本で同じように成果が生み出せないのはなぜなのだろうという思いにいたるのです」と語っている。
日本の科学技術界・教育界がこれほどまでに中国の最高指導者の来日を期待し歓迎するのは中日交流史上まれなことである。このことは、科学技術をかつてないほどクローズアップし、さらには中日関係を大きく進展させる新たな出発点となるに違いない。(提供/『人民日報海外版日本月刊』)

2019年は中華人民共和国成立70周年であり、日本では「令和」の新時代を迎えた。