「勝ち切る力をつけていくことを伝えたい」と今後を見据える

 日本代表は3試合でコパ・アメリカ南米選手権)での冒険を終えた。エクアドルとのグループリーグ第3戦、MF中島翔哉の先制ゴールでリードを奪ったものの、1-1の引き分けに終わった。森保一監督は「勝ち切る力をつけていくことを伝えたい」と課題を口にしている。

「グループリーグ、本当に突破しよう、今日の試合を勝利しようと良い準備ができていたし、選手が良い戦いをしてくれていたので勝てなくて残念。できたことと足りなかったこと、この大会を振り返って成長の糧にすることを伝えたい」

 前半15分にFW岡崎慎司の飛び出しが契機となり、こぼれたところをMF中島翔哉が詰めてゴールネットを揺らす。岡崎の飛び出しがオフサイドではないかとVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に確認した結果、ゴールが認められる形となり、大きな先制ゴールをゲットした。

 しかしそれ以降は本気モードのエクアドルの前に後手に回る展開に。35分にはサイドからのしかし同35分、右サイドからのクロスを頭で合わせられると、GK川島永嗣が弾いたボールをFWアンヘル・メナに押し込まれて同点。日本はリードを維持できず1-1でハーフタイムを迎えた。

 後半に入ると立ち上がりはエクアドルに攻め込まれる時間が続いたが、日本は失点せずにゲームを進めた。しかし、なかなか苦しいリズムを脱することができない展開で森保監督は後半20分に岡崎に代えてFW上田綺世を投入した。すると投入直後に上田は立て続けにゴール前でのシュートチャンスを得たが、相手のブロックボレーシュートが枠外に飛ぶなど勝ち越しゴールには至らなかった。

 試合終盤にはMF久保建英からのラストパスで何度も決定機を作ったものの、FW前田大然、上田、中島がゴールネットを揺らせず勝ち越し点を逃した。

「チャンスを作れたが、勝つために決め切る力が足りなかったこと、ファイトできたことに自信をつけながら、勝ち切る力をつけていくことを伝えたい。世界で戦うために激しく厳しく球際で勝つこと、そこで外すための技術が必要だということ。日本が勝つために技術を全員のハードワークでつなげていけば、世界と対等に戦えると自信を持ってもらいたい。全員攻撃、全員守備、連係連動して個の力を出すことを今後に生かしてほしい」

 勝てばグループリーグ突破を決められる一戦で、勝ちを奪えなかった。南米の列強相手に価値ある2ドローとなった一方で、勝負強さを身に着けていく必要性が出た。来年の東京五輪、そして2022年のカタールワールドカップへ。チームの熟成を一層進めていくはずだ。(Football ZONE web編集部)

日本代表の森保監督【写真:AP】