名だたるスーパーカーに純正採用される
高いパフォーマンスを身にまとう


brembo/ブレンボ


フェラーリポルシェメルセデスGT-R。そしてF1、さらにWRC。世界の名立たるスーパーカーに純正採用され、モータースポーツ界まで席巻する。1961年イタリアで創業したブレンボは、押しも押されもせぬ憧れのブランドだ。なぜブレンボはそこまで愛されるのか。その魅力と実力を、考察する。
ブレンボ brembo アルファード ヴェルファイア NX RX ブレーキ ビッグキャリパー
ホイールのすき間からチラリとのぞく、赤いキャリパー。タイヤが回転しているときにもバツグンの存在感を放つあのビジュアルに、憧れを抱くワゴンオーナーは決して少なくないハズだ。

確かにそのビジュアルは、ブレンボの大きな魅力のひとつではある。けれどもそれだけではない、確かな実力が備わっているからこそ、ブレンボはここまでグローバルに愛されるブレーキへと成長を遂げたのである。

ブレンボが誕生した1961年は、ちょうどディスクブレーキが実用化され始めたころ。ゆえに創業当初こそ、ブレンボの評価はそれほど高いものではなかったそう。ただそこから地道に実績を重ね、1970年代からは評価が急上昇。トラックから商用車まで、幅広いジャンルの車両に純正採用されるようになった。

その評価の決め手となったのが、圧倒的なストッピングパワー。クルマは時代とともに強化され、もちろんそのパワーもどんどん強大なものとなる。となれば求められるものは、確実に、しかもできる限り短い距離で、強烈なスピードを受け止めること。

多くのスーパーカーがブレンボに目を付けたのは、この制動力の高さ、確かさという点で、ブレンボは世界の最高水準だと認めたからに他ならない。

しかもブレンボのブレーキは、タッチが絶妙。一般的な強化ブレーキはコントロールが難しく、挙動にスムーズさを欠いてしまうものがほとんど。しかしブレンボのブレーキはタッチが実に繊細で、踏めば踏むだけ効いてくるという扱いやすさも兼ね備えているため、純正ブレーキとして採用するのにも適していたのだ。

そんなブレンボは、ポルシェとのブレーキの共同開発にも携わる。車両が持つパワーの約4倍の性能をブレーキに求めるというのがポルシェのこだわりで、例えば360馬力の車種であれば、1500馬力に対応する制動能力を求める、ということ。

一般のブレーキメーカーであれば早々に音を上げそうなそんな要求にも、ブレンボはしっかりと対応。それだけの品質と信頼性、対応力を備えるからこそ、ポルシェはブレンボをパートナーに選んでいるのである。

制動力以外の部分も、もちろんブレンボ製品はハイレベル。耐久性や耐熱性といった基本能力は言うまでもなく、ブレーキ性能悪化の要因となるフェード現象や摩擦に強い素材、製法を長年の開発の中で発見してきているのもポイント。特にこの耐フェード性の高さは、過酷な環境が続くモータースポーツシーンでは大きな武器となるもので、だからこそF1やWRCITCといったトップカテゴリーでも、あらゆるチームがこぞってブレンボ製ブレーキを装着するという事態が起こっているのである。

現在のブレンボ製キットは、ローターとパッド、キャリパーがセットで車種ごとに専用設計されるのが基本で、車種によって味付けも微妙に異なるなど、きめ細かく作り上げられるから信頼性もバツグン。キャリパーの剛性も高く、それでいて軽いため、市販車との相性に長けるのも魅力的だ。

ちなみにブレンボは、研究開発から設計、製造までをすべて自社で行なう数少ないメーカーのひとつ。ひとつひとつのパーツで理想形を追求し、お互いがチカラを出し合ってさらに強力なブレーキシステムへと進化できるよう、今も日々研究、研鑽を重ねている。

時速100キロからわずか2・2秒で止まれるというフェラーリポルシェランボルギーニコルベットといった市販のスーパーカーたち。その足元を支えているのは他でもない、時代に合わせて常に進化と研究を怠らずにブレーキと向き合ってきた、世界最強のブレーキメーカーである。

モータースポーツからフィードバックされた部品で構成されるブレーキシステム。30アルファードヴェルファイア用キットは355φローター×4ポットキャリパーと、受注生産の380φ×6ポットキャリパーの2タイプが設定あり。キャリパーカラーは基本的に、赤。
【SPECIFICATION】
GT KIT
LINE UP:30アルファードヴェルファイア、RX、NXほか
PRICE:35万5000円〜(フロント用)

問:橋本コーポレーション 075-761-7351
http://www.h-c.co.jp

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