宅配ボックスって本当に便利なの?

パナソニック6月24日、宅配ボックスの実証実験の結果を発表した。調査は2018年12月から、東京都世田谷区の子育て世帯50世帯に宅配ボックスを設置し、再配達の削減効果と荷物の受け取りに関するストレスの変化を調査した。

受け取りに関するストレスを聞くと、「かなり軽減された」(71%)、「やや軽減された」(29%)の合計が100%となった。宅配ボックス設置により、在宅時の荷物受け取りに関して「ストレスが軽減された」の合計は72%。具体的には「子どもの寝かしつけをしている時に無理に出なくてもよくなった」などの声が上がった。

「受け取れれば手渡しでなくても良い」子育て世代は95%

在宅時で忙しい時でも玄関に出て荷物を受け取った理由を聞くと「荷物が大きくて入らなかったから」(26%)、「インターホンが鳴ると本能的に出る」(24%)といった声があがった。また「在宅でボックスを使うのは気が引ける」(5%)という人もいた。

宅配ボックスがあっても再配達になった理由で最も多かったのは「荷物が大きくて入らなかった」(27.8%)。以降、「生もの・クール便」(25.2%)、「宅配ボックスがいっぱいだった」(20.5%)、「宅配ボックスに入れてくれなかった」(12.6%)などが続く。

荷物の受け取り方については「受け取れれば手渡しでなくても良い」が95%にのぼる。一方、ネット上で実施した調査では61%となった。子育て世帯は特に非対面での荷物の受け取りを望んでいる傾向にあるようだ。

宅配ボックス設置で、再配達率が20ポイント減

宅配ボックス設置前は「直接受け取った」が66%で、「再配達になった」が34%となっていた。しかし設置後は「直接受け取った」(56%)、「配達ボックスで受け取った」(30%)の合計が86%となり、「再配達になった」は14%に留まった。

事前調査では、「荷物の受け取りのために時間が拘束されている」という声があった。荷物を受け取るための待ち時間を再配達1回あたり2時間と仮定して算出すると、設置前は約72時間だったのに対し、設置後は約39時間。33時間削減された。

なお、設置前(10月)の総配達個数が412個だったのに対して、12~1月の平均が553個と増加した。12~1月の平均総配達数が10月と同じだった場合、宅配ボックス設置後の再配達の待ち時間は約29時間となる