日本の農産物は海外でも高く評価されており、中国では、日本産の果物や野菜を高くても買いたいという富裕層は多い。中国メディアの今日頭条は21日、日本の農業がいかに海外で羨ましがられているかに関する記事を掲載した。「こっそり苗を持ち出そうとする人もいるほどだ」という。

 記事はまず、日本の農産物は、収穫量が多くて質も価格も高いと称賛。これは、農業従事者の優秀なマネジメントだけでなく、「科学研究のレベルの高さ」を示しているという。

 ジャパンタイムズによると、日本の農産品はあまりに人気なので、研究開発された高級果物の苗が、少なからず無許可でこっそり持ち出されているという。盗まれた苗が海外市場を独占し、輸出の障害になるという実害も出ているとしている。近年知られるようになったものでは、韓国に流失した日本のいちごやぶどうの品種、中国に流失した北海道の白いんげんといったものがある。

 記事は、日本では品種の改良に励み、農家の収益を増やすために世界市場で戦える競争力を付けて来たと紹介。そのおかげで、いちごの「4大美人」である紅ほっぺ、とちおとめ、章姫(あきひめ)、やよいひめはすべて日本産で、また、世界で最もおいしいと言われる10種類のりんごのうち、6種類が日本の品種となっている。ほかにも、シャインマスカットを始め、みかんやメロン、なしなどの果物でも、日本産の品種はどれも世界市場で人気が出ると絶賛した。

 さらには、農産物の開発に「政府も積極的」であることも後押ししていると分析。国の発展計画に組み込み、法を制定し、研究開発に対して補助を出していると指摘した。また、人材育成や知的財産権の保護などにも積極的に関わっていると紹介している。

 この記事に対して寄せられたコメントを見ると、日本では「食品が安心安全で味も価格も栄養価も高いこと」に感心し称賛するものが多かったが、苗を盗むような行為への非難は見られず、品種の流失に対するモラルは問題視していないようだった。日本の農産品が人気なのは喜ばしいことだが、日本で開発された農作物の品種が流出することは農業関係者にとって大きな痛手になることであり、具体的な措置で対策を講じる必要があるといえるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本の農作物は羨望の的・・・「こっそり苗を持ち出そうとする人もいるほど」=中国