6月24日放送の「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日系)にキックボクシングの世界3冠王者・那須川天心選手がゲスト出演。2018年末に“世紀の一戦”として話題を呼んだフロイド・メイウェザー選手との対戦の裏側を初めて明かした。

【写真を見る】メイウェザーにボコボコされ、号泣してしまったという那須川天心選手

那須川選手はプロ格闘家として36戦36勝28KOという戦績を引っ提げ、ボクシング5階級制覇王者の“レジェンドメイウェザー選手と激闘を繰り広げた。

しかし、1ラウンドで3回のダウンを奪われてTKOの完敗を喫し、号泣する那須川選手の姿も注目を集めた。

この試合を振り返り、那須川選手は「この試合はホントに悔しかった。ボッコボコにされて泣いてしまいました」と率直に告白。

対戦前には「メイウェザー? 勝てるっしょ」と相手をなめていたと話し、那須川選手は「本当にしくじりましたね。いけるんじゃないかなって。めちゃくちゃヤバイ人をなめてました」と語る。

那須川選手は「テレビで詳しく語るのは初めて」という試合の舞台裏の状況も詳しく説明。

父親が持ってきたメイウェザー戦のオファーを即答で受け入れたものの、「今考えると、ルールや階級を冷静に考えるべきだった」という那須川選手。

スーパーバンタム級の那須川選手とウェルター級メイウェザー選手には約10kgの体重差があり、ルールもキックなしのボクシングルールが設定されたが、那須川選手は「どんなルールでもやります」と安易に宣言。

試合の1週間前には「キックしたら罰金5億円」というルールも決まり、那須川選手は「キックはしないけどフェイントしちゃおう」「ジャンプして飛び込んでいってパンチ」などの作戦を練っていたという。

ところが、試合直前に「足でフェイントしたりジャンプしたら罰金5億円」というルールも追加されることに。

フェイントやジャンプなどの動きが封じられてしまい、那須川選手は「まんまと読まれてましたね。(試合直前だったので)『ホントにヤバいな』と。結構練習してきた技なので」と、その時の心境を振り返った。

また、計量ではメイウェザー選手が「俺はもう計っといたから」と主張し、体重計には乗らずじまいだったことも明かされた。

試合当日もメイウェザー選手の奔放な振る舞いは続き、那須川選手はペースを乱された様子。

早めに会場へ出向いた那須川選手は入念なウオーミングアップを済ませていたが、遅刻してきたメイウェザー選手が「バンテージの下に凶器を仕込んでいる可能性がある。巻き直せ」と那須川選手に要求。

もちろん那須川選手は拒否したが、「巨大なSPが2人控え室に入ってきて『巻き直せ』。それしか言わなかったですね」という状況の末に、40分ほどかかるバンテージの巻き直しをすることに。

巻き直しを終えるとすぐにリングインの時間になり、ペースを乱されたまま場内へ。

那須川選手は「大慌てのまま試合開始です」「イライラがMAXですね。『ぶっ倒してやる!』と頭に血が上ってしまいました」と当時の心境を語った。

試合開始のゴングが鳴った後も、「ノーガード&超ヘラヘラ顔でおちょくってきた」というメイウェザー選手の振る舞いに那須川選手は激高。

「完全におちょくられてました」「作戦が真っ白になってしまった。『倒してやろう』と。一切セコンドの話も聞こえず」と、那須川選手はリング上での心理を明かした。

その後、怒りにまかせてラッシュする那須川選手のパンチメイウェザー選手にヒットする場面も。

しかし、その那須川選手のパンチが呼び水となり、メイウェザー選手が表情を変えて「信じられないくらい重いパンチ」を打ってくる展開に。

豹変(ひょうへん)後のメイウェザー選手について「ガードのスタイルを変えてきて、すごい強いプレッシャー当ててきて」「めちゃめちゃデカく感じました。そこで正直ちょっと怖くなってしまいました」と振り返る那須川選手。

人生初のKOで敗北した那須川選手は「これもすべて、メイウェザー選手をなめて自分のペースを乱されたことが原因」と分析。

さらに「悔しい負けをプラスにするのかマイナスにするのか、すべては自分次第」「負けがあるからどんな人も強くなる」と前向きに言葉を続けた那須川選手は、「メイウェザー選手と戦えてよかったと心の底から思う」とも語った。

放送終了後、SNS上では「選手として成長できるんだから敗戦は“しくじり”ではない」「裏側の心理戦に負けないメンタルも要求される厳しい世界」といった声が上がっている。

次回の「しくじり先生 俺みたいになるな!!」は7月1日(月)に放送予定。(ザテレビジョン

那須川天心選手が「しくじり先生―」に登場した