かつて日本は50年間にわたって台湾を統治する時代があった。1945年の終戦とともにその時代は終結したが、今でもその名残を台湾の各地で見ることができる。なかでも最も多くの「面影」を残しているのは、当時の日本人が命名あるいは改名した地名の数々かもしれない。

 中国メディア・東方網は24日、台湾第3の都市で南部の中心都市でもある高雄について、日本人がもともとあった名前を改名したものであることを紹介する記事を掲載した。

 記事は高雄について、新北市、台北市に次ぐ台湾で3番めに大きい都市であり、台南地域では最大の中心都市であると紹介。「高雄」という名前からは非常に雄大なイメージを抱かされるが、実は日本人が名前を変えたのだとした。

 そして、高雄のもともとの地名について、15世紀に台湾の原住民であるマカタオ族が竹を使って海賊を防いだという話から「竹林」と呼ばれていたと説明。その発音が漢人には「打狗」(ターカウ、犬を叩く)という言葉に聞こえたため、「打狗」という名前が定着し、現在の高雄港も古くは「打狗港」と呼ばれていたとしている。

 そのうえで、19世紀末に日本が台湾を統治するようになると、「打狗」という名前が美しくないという話になり、発音が似ていて日本の本土にもある地名の「高雄」という名前を当てて、それが現在まで使われているのだと紹介した。

 台湾の地名について調べてみると、かつて日本人が命名したもの、あるいは日本人とゆかりのあるものが思いのほかたくさん見つかる。台北の空港があることで知られる松山も、もともとは錫口と呼ばれていたものが1920年代に愛媛の松山に風景が似ていることから改称されたものだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

台湾3番めの大都市は、日本人によって名前が変えられていた=中国メディア