過去の経験を踏まえ、対戦相手の心理を推察 「前半のうちにゴールできれば…」

 浦和レッズのGK西川周作は、26日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16第2戦、蔚山現代(韓国)戦の前日練習を終えると、これまでに第2戦をホームゲームで戦った経験を踏まえて対戦相手の心理状況を推し量る言葉を残した。

 浦和は19日の初戦をホームで1-2の敗戦を喫し、厳しい条件の残るアウェーゲームとなった。ただし、2-0の勝利は浦和の勝ち抜けという意味では、決して非現実的なものではない。

 西川は2017年のアジア制覇を浦和で経験しているが、当時の決勝トーナメントは全て第2戦がホームゲームだった。そのなかでは準決勝の上海上港(中国)戦と、決勝のアル・ヒラル(サウジアラビア)戦は、いずれも第1戦はアウェーゴールを奪って引き分け。有利な条件で迎えたホームでの第2戦を無失点で終えた。

 しかし、その時の精神状態は決して簡単なものではなかったという。今回は逆の立場で、それを理解したうえでの戦いが必要だと話している。

「前半のうちにゴールできれば、精神的に有利な状態で試合をできると思う。2戦目にホームで戦うのは、失点がアウェーゴールになるという点で、それによる緊張感がある。僕らは乗り込んできて2点を奪うという意味で、割り切って試合に入ることができる」

 そして、敗戦の経験ではあるものの、16年のチャンピオンシップ決勝で鹿島アントラーズに敗れた時の経験も話した。当時は、初戦のアウェーゲームを1-0で勝利したものの、第2戦のホームで1-2の敗戦を喫して優勝を逃した。その試合の先制点が大きな意味を持たなかったことも指摘している。

「あのチャンピオンシップの時、鹿島は1点を取られてもあまりダメージはなかった。明日の僕らは、1点を取られても2点取れば延長戦がある。そういう経験を積んできたことで、メンタル的には落ち着いてできると思う」

 浦和はACLに出場した年はもちろん、ルヴァン杯や前述のチャンピオンシップなど、Jリーグのクラブのなかでもホーム&アウェー形式の経験値が高いクラブだと言えるだろう。追う立場、追われる立場と様々な経験を積んできたことによる強みを、今回の第2戦では発揮すべき場面だ。

 蔚山について「メンバーは分からないけど、カウンターは絶対に狙ってくるはず」と話す守護神が後方から落ち着きと勢いを与えることは、浦和の逆転突破に向けて不可欠な要素だと言えるはずだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和レッズGK西川【写真:轡田哲朗】