エクアドル相手にドローに終わり、得失点差でGL敗退 またもや南米の地で初勝利ならず

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間24日に行われたコパ・アメリカ南米選手権)のグループリーグ第3戦でエクアドルに1-1で引き分け、グループ3位同士の成績で上回れずに決勝トーナメント進出を逃した。アウェーで“本気”の南米勢と対峙し、2分1敗。鬼門である南米の地での歴史的な1勝にまたもや手が届かなかった。東京五輪世代18人で臨んだなか、最年長のGK川島永嗣(ストラスブール)は、“本当の意味での大会の意義”を語った。

 招待国として参加した日本は、代表チームに選手の拘束力がなく、DF長友佑都ガラタサライ)やDF吉田麻也サウサンプトン)、FW大迫勇也ブレーメン)ら主軸を呼べず。東京五輪世代18人、平均年齢22.3歳(大会開幕時)と若い陣容で臨んだ。

 そのなかで、“大学生A代表”のFW上田綺世(法政大)ら8人が代表デビューした初戦のチリ戦は、試合巧者の相手に地力の差を見せられて0-4で大敗。続くウルグアイ戦(2-2)では、A代表初先発を飾ったMF三好康児(横浜F・マリノス)の2ゴールで対等に渡り合うも、8強進出を懸けたエクアドル戦ではMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)の先制弾のみにとどまり、MF久保建英FC東京レアル・マドリード)も不発に終わった。

 男子の日本代表は、コパ・アメリカ参戦以前に実施した過去5度の南米遠征で、22試合を消化して未勝利(4分18敗/13得点40失点)。そして、今大会も若手に経験を積ませる意図は果たした一方で、グループリーグ3試合で2分1敗と“本気の南米勢”の壁は最後まで越えられなかった。

「“世界レベル”とか“南米の本気”とはなんなのか、ぼやけたもので前に進むのではなく…」

 今後は、コパ・アメリカに出場した若手メンバーが東京五輪チームの底上げを促し、従来のA代表の競争に割って入ることが望まれるが、今大会2試合に出場した川島はブラジルの地で手にした“指標”をいかに具現化していくかが重要だと説く。

「(若手は目標を得られた?)簡単に指標と言うと結構ぼやけているものですけど、実際にどういうところにこだわれば良いのか。ただ単純に“世界レベル”とか“南米の本気”とはなんなのか、ぼやけたものでただ前に進むのではなく、判断のスピード、どこで違いを作れるか、守備だったらどこで勝てるのかにフォーカスしていかないといけない。そういうところを体感して、これから先に進んでいくのが本当の意味でのこの大会の意義だと思います」

 一言で“経験”と済ませるのではなく、具体的なビジョンを持って高みを目指す――。長年、世界を舞台に戦ってきた川島は若手たちに“金言”を残してブラジルの地を後にした。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda

日本代表GK川島永嗣【写真:AP】