結成35周年を迎える怒髪天の代表曲「オトナノススメ」を、綾小路翔、(氣志團)、吉川晃司グループ魂チバユウスケ、山田将司(THE BACK HORN)、山中さわおthe pillows)、横山健Ken YokoyamaHi-STANDARD)ら錚々たるメンツがトリビュートする企画『オトナノススメ~35th 愛されSP~』の一部が公開された。1曲5分42秒の中に、現在、ドラマー6人、ベーシスト6人、ギタリスト12人、ボーカル&コーラス50人参加した、人生を背負って大はしゃぎするオトナによるオトナの為の一大スペクタル企画が進行している様子がうかがえる。


さらに、6月23日(日)渋谷TSUTAYA O-EAST/O-WESTにて開催された『もっと!もっと!愛されたくて35年。 大怒髪展 2019 “雑エンターテインメント”』のオフィシャルレポートが到着した。


今年結成35周年を迎えた怒髪天6月23日(日)、渋谷TSUTAYA O-EAST/O-WESTにて『もっと!もっと!愛されたくて35年。 大怒髪展 2019 “雑エンターテインメント”』を開催した。

まずはO-EASTのサブステージにて怒髪天アコースティックライブ。全員お揃いの法被姿で「オトナノススメ」「酒燃料爆進曲」をはじめとした定番曲をボサノバ調やブルース風など粋なアレンジで小気味に聴かせる。「アコースティックはしっとりと」という通例を打ち破り増子直純(Vo)も汗まみれで熱唱。賑やかで騒々しく、彼らしいステージで“おやじたちの長い一日”は幕開けた。

画鋲

画鋲

画鋲

画鋲

画鋲

画鋲

メインステージには三宅弘城、宮藤官九郎、よーかいくんの3人からなるパンクバンド、画鋲。セットリストを先に宣言してから演奏するという掟破りのライブ運びで、「お子様連れには聴かせられない(増子談)」というアブない楽曲をハードコアパンクのビートに乗せ、次々とぶっ放していく。“超画鋲”と称した増子を交えての「ノット・サティスファイド」を含めた45分28曲。まさに怒涛のステージだった。

画鋲

画鋲

O-WESTでは、怒髪天メンバーによる“雑演芸”が繰り広げられる。清水泰次(Ba)の軽快なヒゲダンス、上原子友康(Gt)は我流で臨んだ三味線を披露。右手が流血するほどの激しい撥捌きで魅了する。増子は、クジヒロコ(Pf)を迎え、舞台『サンバイザー兄弟』で着用した真っ赤なドレスを纏い、日本を代表するシャンソン曲を熱唱。普段とは一味違う艶めく美声に皆が酔いしれた。

O-EASTに戻ろう。巧みな話術に聴かせる歌は本格派、アコースティック編成のレキシだ。イルカが舞い、稲穂が揺れての大盛り上がり。レキシネームをもらったのに、“城持狂兄”増子以外の3人はすっかり忘れてしまったという、ちょんまげ姿の“北のパイセン問屋”こと怒髪天4人を加えての「ドゥ・ザ・キャッスル」では、途中から「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」大喜利が始まり、アドリブながら“ミュージシャンならぬ”口達者っぷりに会場は爆笑の渦が巻き起こった。

再びWESTへ。坂詰克彦(Dr)の演目は「坂詰の流儀」と題し某テレビ番組風に進められていく1人のロックドラマーを追ったドキュメンタリー映像の上映。その内容はドラムとの出会いから怒髪天への加入、そして痛風との格闘の日々であった。ラストには、スガならぬ、サカシカオ?が登場し、甘い歌声を目一杯響かせたのだった。

O-EASTは本日の主役、怒髪天のステージ。「裸武士」「明日の扉」で初っ端から飛ばしていく。ロックバンドの本懐を歌う「HONAKI」でオーディエンスとともに拳を突きあげ、それがピースサインに変わると「セイノワ」へ。そして、新しい時代への幕開けを高らかに歌う、まだタイトルが決まっていないという新曲を初披露。

レキシ池田貴史を呼び込み「恋のレキシカン・ロック」を共演。「オトナノススメ」の右や左やの大騒ぎで会場の熱気が最高調になると、ラストはずっと袖からノリノリで観ていた画鋲の3人と再び池田を呼んでの「サスパズレ」で大団円。「長丁場でみんな足腰にきてるから」という増子の配慮で会場一体の「上にまっすぐゆっくりジャンプ」でフィナーレを迎えた。

そしてもう一つの大目玉、メンバーも初めて観るという『オトナノススメ ザ・ムービー』が場内スクリーンにて公開された。ボーカリスト&コーラス推定50組、ギタリスト推定14名、ベーシスト6名、ドラマー6名が参加する大スペクタクル企画「オトナノススメ〜35th 愛されSP〜」。盟友、戦友、後輩、そしてまさかの大御所たちが鬩ぎ合う演奏と怒髪天に送られるエールに、壇上で見守る燕尾服姿の4人は言葉を失うほどに目頭を熱くさせていた。本企画は絶賛制作中で、この「オトナノススメ〜35th 愛されSP〜」が収録されたスペシャルパッケージが10月にリリースされる予定。完成が楽しみだ。
 

「我々怒髪天と、今日ここに来てくれたみなさんだけの幸せを祈って!」
増子による一本締めにて、大きな愛とたくさん笑いに包まれた“おやじの長い一日”は幕を閉じた。
「もっと!もっと!愛されたくて35年。」は秋からのツアーまで続く。怒髪天の35周年はまだ始まったばかりだ。

文=冬将軍 撮影=石井麻木

怒髪天