石橋を叩いて渡る美術品投資

石橋を叩いて渡る美術品投資
美術品投資のような誰もが身近には感じない投資を選択するにあたって、欠かせないのが事前調査です。
それは美術品投資に特徴的な価格変動リスク、信用リスクなどを避けるためです。
すすめられて安易に飛び込んで大ケガをしないためにあらかじめチェックしておきたいことを挙げてみます。
そのうちわかりやすくて最も気にしたくなるのが、価格のトレンドを掴むことではないでしょうか。

 

トレンドをチェックする

全て投資はトレンドに乗るのが王道とされています。
それはトレンドの変化を予測するのが、その道の専門家であってもとても難しいからです。
ですから個人などはトレンドにいかに資金を乗せていけるかが投資を成功させる鍵となる訳です。
美術品についてもトレンドのようなものはあります。
ただ美術品の相場の流れを作品毎に把握するのは難しいものです。
作者の単位でならあることはありますが、それも一部の作家の作品でもなければはっきりとはしていません。
それはトレンドづくりの基礎データとなるオークションが毎日、あるはずもありませんし、出品数も限られたものでしか無いからです。

ジャンル単位のトレンド
それでももっと大きなジャンル単位で長期目線であれば、トレンドは見て取れますし特徴の違いも表れています。
例えば、1989年頃のバブル時代以前から人気のあった近代美術作者の作品であれば、バブル崩壊後に値が下がってから回復もすることなくほぼ横ばいを続けています。
このような長期にわたって横ばいや下降気味のトレンドであれば、上昇に転じることを期待するのは虚しいことのように思えます。
一方、海外の有名な近現代アート作者の作品も1989年バブル崩壊を受けて相場を崩しましたが、その後の様相はかなり違います
1996年頃から1年おきくらいに大きく上昇してバブル期並みの高値になったかと思えば、すぐに値を崩したりを繰り返す不安定な動きをしているのです。
それも2010年頃にバブル期以上の相場を作ってからほぼ高値を維持するようになっています。
日本を代表する現代アート作者である草間彌生の作品であれば、2000年代に入ってから上昇が始まり、2006年頃からその上昇角度を急激に高めています。
そして2008年リーマンショックで一時的に下げに転じるもすぐに回復し横ばいを続けた後、2014年頃から再び急上昇を始めています。

 

アート指標で勝機を掴む

美術品には投資の指標が無いからと敬遠する向きもありますが、全く無い訳でもないのです。
美術品投資も美術品全般、近代美術品、印象派作品、現代アート作品などに分類したチャートであればありますので、これで20年以上の大まかな流れは見て取れます。
さらにはこれらを日経平均のような経済指標と並べて、時の経済情勢との関係を比較しているものもあります。
個別の作品についてもあるだけの売買データであればチャートもあることはあります。
海外の有料サイトになりますが「アートネット」のマーケットリポートでは、個別作品毎の売買データを蓄積、分析しているのです。
しかしやはり投資の指標とするには、データの量的にも心もとないものでしょう。
よって株の投資顧問のような価格予想を情報にして販売していたりするものではありません。
ただ淡々とデータを集積しているだけのもので、利用するとすればこれをいかに参考にするかにあるでしょう。
容易に気が付くこととしては、同じ作者の作品であれば価格の高い上位数点の価格の推移と、下位の比較的安価な作品の価格の推移はかなり似た動きをすることでしょう。
ですから高価な作品の値動きでも、同一作者であれば手の届きやすい範囲で投資する際の指標にも成り得ると言えるのではないでしょうか。