オープンなエコシステムの力でクラウドビジネスを勝ち抜く――。日本マイクロソフト5月29日、30日の2日間にわたって開催したエンジニア向けの一大イベント「de:code 2019」では、そんな同社の姿勢が鮮明に表れた。

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 基調講演に登壇した平野拓也社長は、業務アプリケーション群の「Dynamics 365」、コミュニケーション基盤となる「Microsoft 365」、ゲーム関連ソリューションの「Microsoft Gaming」、そしてクラウドインフラ・基盤である「Microsoft Azure」を「四つのクラウドプラットフォーム」と位置付け、同社ビジネスの核に据えることを宣言。「それぞれの領域でパートナーをどんどん巻き込んでダイナミックなビジネスを進めていく」と会場に呼びかけた。

 また、市場の有力プレイヤーとの水平連携も加速させていることを改めて強調。昨年、独SAPや米アドビとともに発表した複数ベンダー間のデータモデル統一の取り組みである「Open Data Initiative」への参加企業が拡大していることや、米ヴイエムウェア、米レッドハットとの連携、ゲーム事業におけるソニーとの戦略的提携などを「マイクロソフトのオープン路線の象徴」とアピールした。また、de:code 2019での新発表として、日本マイクロソフトと産業用ロボット向けAI開発のアセントロボティクスが協業し、Azureを活用した自動運転技術の開発、商用化に取り組んでいくことを明らかにした。

 基調講演の締めくくりには、マイクロソフトの複合現実(MR)デバイスである「HoloLens」開発の中心メンバーであり、“HoloLensの父”とも呼ばれる米マイクロソフトアレックス・キップマン テクニカルフェローも登場し、最新製品の「HoloLens 2」を日本で初披露した。(本多和幸)

日本マイクロソフト 平野拓也 社長