Point

■タコの神経システムは特殊で、脊椎動物とは異なりニューロンの2/3が足を含めた体中に巡っている

■そのため足が刺激を受けると、脳を介在せずに独自に意思決定を下して行動を起こしていることが判明した

■脳が足の位置を把握していなくても、それぞれの足が互いに位置を感じていることで、地を這うときのような複雑な動きも可能となる

これクトゥルフじゃ? 「タコは地球外生命」説で33人の科学者が本気で論文発表

あー! 手が勝手にー!

…みたいなのも、タコなら許されるかもしれない。

実は「タコ」はとても賢い動物だ。その8本の足で器用にパズルを解いたり、ときには手品のようなトリッキーな動きで人間の目をごまかすことができる。

しかし彼らの知性は、非常に妙な方法で確立されてきた。それは彼らが地球上の他の有機体とは異なる進化の過程をたどったことに起因している。

以前タコはエイリアンだ…なんていう研究もあったが、今回研究者らは、その不思議な「知性」がどこで発揮されているのか調査を実施した。

研究は「2019 Astrobiology Science Conference」にて発表されている。

3億5000万のニューロンが「足」に

私たち脊椎動物が神経システムを一箇所に集中させている一方で、タコは全体の2/3のニューロンを体中に巡らせている。

研究者たちはそうしたニューロンが、脳からの指令無しで独自の判断を下している可能性について調査した。

対象となったのは「Giant Pacific octopuses」と「East Pacific red octopuses」。どちらも北太平洋に生息しているタコの一種だ。

Credit: pixabay

それらのタコは、1個体につき約5億のニューロンを持っており、そのうち3億5000万個が8本の足に広がっている。これによりタコは外部の刺激に対していち早く反応できるのだ。

さらに脳が足の位置を把握していない場合であっても、足は互いにその位置を感じており、これによって地を這うような複雑な動きもスムーズに行える。

「足」で感じ「足」が行動する

研究者たちはタコの前に様々な障害物を置き、食事シーンを録画した後、神経の動きをトラッキングする技術を用いて神経システムの流れを観察した。

その結果、タコが吸盤で外部環境から情報を得ると、足の神経がそこで処理をおこない、それに対応する行動を始めた。つまり、そのプロセスに脳は一切介在していなかったということだ。

Credit: pixabay

こうした結果は、過去の研究とも合点がいく。先行研究では、タコの足は脳から独立して食糧を探し求めることや、死亡したタコから足を切り離しても、足が刺激に対して反応を続けることが分かっていた。

研究をおこなったワシントン大学の行動神経学者、ドミニク・シヴィツィリ氏は、「これは新たな形の知性のモデルです。タコの知性は、私たちにこの世界中、あるいは宇宙には多用な認知のあり方が存在していることを教えてくれます」と語っている。

 

その奇妙な風貌から架空のエイリアンモデルにもなりがちなタコだが、あまりにも特殊なこの生体を考慮に入れれば、そのチョイスはあながち間違っていないのかもしれない。

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reference: sciencealert / written by なかしー

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やっぱりエイリアン? タコは脳を介さず「8本の足」で意思決定していた