中国には「拾金不昧」という熟語がある。「拾った金を猫ばばしない」という意味だが、実践する人が少ないのが現状だ。そのため、東京都内だけで昨年1年間に、落とし物として交番や警察署などに届けられた現金が約38億4000万円に上ることに中国人は驚くのだろう。中国メディアの今日頭条は24日、「中国人の信用度は世界最低」と烙印を押された、米国のある調査に不満を示す記事を掲載した。

 記事は、米サイエンス誌で発表されたある調査結果を紹介している。これは、世界40カ国を対象にした「社会的信用」をランク付けしたもので、中国が最低ランクに位置づけされたそうだ。調査の方法は、中身の見えるプラスチックケースの財布に、13ドル相当の現金と、カギ、レシート、メールアドレスを記した名刺を入れておき、各国の銀行やホテル、博物館などの受付で「財布を拾ったが、私は今忙しいのでそちらで対応してほしい」と言って渡すという方法だ。

 メールアドレスにどれだけの連絡が来るかを確認したところ、最も多く連絡があったのはスイスで、ノルウェースウェーデンがそれに続いた。最も少なかったのが中国で、次いでモロッコペルーという結果になったという。

 この調査結果を公表した雑誌では、これを「社会的信用」の表れと断定しているが、記事はそれを真っ向から否定。主な理由は「中国の実情」を無視しているからというものだ。

 例えば、実験ではEメールで連絡をしてくれることを前提としているが、中国人はほとんどEメールを使用していない現状があると指摘。また、実験で使用した財布は透明で名刺には電話番号がなく、Eメールだけしか記されていないのは「怪しすぎる」と主張した。そのため記事は、中国の評判を落とす「悪意のある調査」なのは明らかで、結果を気にする必要はないと読者に呼びかけた。

 しかし、寄せられたコメントを見ると、「この調査は信用できる。中国人が信頼できないのは中国人自身が知っている」、「お金を貸したことがある人なら中国人を信用できるかがわかるだろう」など、多くの人が調査結果に納得している様子だ。むしろ、中国では「信用を語るものは愚か者」なので、処世術として誠実にはしないと開き直る人もいた。結局のところ、「中国の実情」は落としたお金は戻ってこないということなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国人の信用度は世界最低? 「中国人が信頼できないのは中国人自身が知っている」=中国