日本生産性本部と日本経済青年協議会は6月27日、東京・霞が関厚生労働省で会見を開き、新入社員を対象に「働くことの意識」について聞いた調査結果を発表した。「好んで苦労することはない」「働き方は人並みで十分」と答えた割合がともに過去最高を更新した。

働く目的→「社会に役立つ」はわずか9.3%

調査は2019年3月11日4月26日に行い、調査書の有効回収数は1792人だった(男性1060人、女性726人、無回答6人)。毎年1回の調査で、今回で51回目。回答者別の最終学歴で最も多かったのが4年生大学(54.7%)だった。

働く目的についての回答で最も多かったのは「楽しい生活をしたい」の39.6%で、「経済的に豊かになる」(28.2%)、「自分の能力をためす」(10.5%)、「社会に役立つ」(9.3%)と続いた。

「社会に役立つ」を答えた割合は、2011年3月11日東日本大震災を受けて一時、上昇傾向にあったが、近年は減少傾向にあるとした。

働き方について「人並み以上に働きたいか」を問うと、「人並みで十分」が過去最高の63.5%で、「人並み以上」の29.0%を大きく引き離した。両者の差は調査を始めて以降、最も開いたという。

また、デートと残業のどちらを取るか、についても聞いた。「デートの約束があった時、残業を命じられたら、あなたはどうしますか」との設問に対し、「デートをやめて仕事をする」は(63.7%)で、「ことわってデートをする」(36.0%)を上回った。ただ両者の差は近年縮まっており、「デート派」が増え、「残業派」が減る傾向だとした。

「若いうちは苦労すべき」論は徐々に通用しなくなっている?

新入社員に対しては、「若いうちは進んで苦労をすべきだ」と言われることがある。このことに関し、どう思うか聞くと、「好んで苦労することはない」が過去最高の37.3%だった。対する「進んで苦労すべきだ」は43.2%と上回ったが、両者の差は過去最小となった。

この日の会見で、日本生産性本部「職場のあり方研究会」の座長をつとめる岩間夏樹氏(ライズコーレーション代表取締役)は、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が2015年に過労自死したことを念頭に、次のように指摘した。

「新入社員が自殺したことが数年前にあり、ブラック企業懸念が広がっていて、人並み以上に頑張って働きたい答えることに抵抗感があるのではないか」

新入社員「好んで苦労することはない」「働き方は人並みで」過去最高に…意識調査