[東京 27日 ロイター] - 日産自動車7201.T>は特別背任などの罪で起訴された前会長カルロス・ゴーン被告に退職慰労金など計約67億円を支払わない方針であることが分かった。また、前期の報酬総額は16億5200万円で、このうち4億1000万円は支給済みだが、残りは未払いであることも明らかになった。

同社が関東財務局へ27日提出した有価証券報告書で判明した。

報告書によると、ゴーン被告は退職慰労金として44億4400万円を受け取る権利があったほか、付与していた株価連動型インセンティブ受領権として22億7100万円が残っていたが、同社はいずれも支給しないことを決めた。

2019年3月期のゴーン被告の役員報酬は当初25億4400万円を予定していたが、初めて逮捕された3日後の昨年11月22日付で会長職などを解かれたため、その日以降の報酬を同社での経営の経験を持つ非常勤取締役の報酬相当に減額し、最終的に16億5200万円となった。

このうち、すでに4億1000万円は支払われているが、残りの12億3700万円は未払いという。日産はゴーン被告に損害賠償を請求する方針で、未払い分が今後支払われるかどうかは未定だ。

<西川社長の取締役賛成率は78%、11人中最低>

一方、25日の定時株主総会では、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)を含む取締役11人の選任が可決されたが、西川社長の賛成率は78%で、11人の中で最低だった。

一昨年の取締役9人の選任では、ゴーン被告が75.4%と最低で、西川社長はゴーン被告に次ぐ低さの79.9%だった。

西川社長を巡っては、ゴーン被告に長期間近い立場にあり、同被告の不正行為に全く無関係とみなすのは難しいなどとして、米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラスルイスが再任「反対」を株主に推奨していた。

同じくISSに反対を推奨された、ゴーン前会長時代に監査役を務めた永井素夫氏への賛成率は88.9%だった。ISSは同氏にも前会長の不正行為を監督できなかった責任の一端があるとしていた。

残りの取締役9人の賛成率は95%以上だった。

西川社長の前期報酬は4億0400万円だった。同社長はゴーン被告の不正行為や完成検査不正といった一連の問題の責任を取り、報酬の一部を辞退している。

(白木真紀)

 6月27日、日産自動車は特別背任などの罪で起訴された前会長カルロス・ゴーン被告に退職慰労金など計約67億円を支払わない方針であることが分かった。東京拘置所で4月撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)