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教育界はどこまで崩壊してしまっているのだろうか。今度は千葉県の中学校で命の危険にさらす行為を、サッカー部顧問の教諭が行っていた。しらべぇ取材班は、千葉県教育委員会、そして柏市教育委員会に詳細を聞いた。

 

■カンニングの罰として

千葉県教育委員会は26日、顧問をしていたサッカー部の男子生徒を約3時間にわたって走らせる体罰を行い、熱中症による体調不良に陥らせたとして、同県柏市の市立中学校の男性教諭(32)を減給10分の1(1ヶ月)の懲戒処分にした。

県教委によると、男性教諭は5月25日、生徒が前日の授業の小テストでカンニングをしたことへの指導として「校庭を100周走れ」と指示。生徒は休憩を挟みながら午後3時ごろまでに校庭を75周走ったが、その後、校庭に座り込んだ。教諭はそれに対し何の処置も行わなかった。

 

■「体罰に関する知識なかった」

様子を見ていた母親が男性教諭に抗議し、病院を受診させたところ熱中症の疑いがあると診断されたという。

この日は土曜日で、サッカー部だけが学校で練習試合を行っていた。同日午後の同県北西部の最高気温は30℃近い状況。男性教諭は県教委の調査に対し「体罰に関する知識がなかった」などと話しているといい、現在は部活動の指導から外れている。

■部活動研修の実態が明らかに…

教諭の指導を管轄している柏市教育委員会に、この件をどう考えているのか取材した。教職員課の担当者は、「今回の教諭の行為は、完全に行き過ぎた体罰と認識している。市教委の調査に教諭は『体罰の認識が甘かった』と答えた。体罰や部活動指導に関する研修は行っている」と話した。

続けて「部活動に関する研修会は、直近の1年間に何回行って、何名の教諭が出席したのか」と尋ねたところ、「2018年度部活動に関する研修会を1回実施した。

282名の教諭が参加したが、割合でいうと全体の16.3%。問題を起こした教諭は参加していない」と回答。研修制度も完全に形骸化している実態が浮かび上がってきた。

 

■「時代錯誤」と非難の声

ネットではいつの時代の指導法かと非難の声があがっている。

「このご時世によく100周走れなんて言えたな…少し前までは当たり前だったことが驚きでもありますね。減給1カ月で本人の反省の糧になるのかね」

 

「教諭と同い年のものです。自分達が子供の頃ならまだ珍しくもなかったかもしれませんが、時代が変われば指導も代わっていきます。自分達もやらされてたからではいけませんし、ましてやカンニングしたからと言ってもこれはやりすぎでしょう」

 

「過ちを理解し反省させるのが教師の役割。身体的な罰を課すことで解決できると考えること自体が誤った教育」

 

千葉県教育委員会の教職員課は「厳重な処分を行った」と断言。しかし、生徒を命の危険にさらした教師を、1ヶ月の減給の処分だけで果たしていいのだろうか。疑問が残るところだ。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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