遠藤憲一主演、8月3日(土)スタートのオトナの土ドラ「それぞれの断崖」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)に田中美里、田中美佐子の出演が決定。加害者の母親と被害者の母親という対立する2人を演じる。

【写真を見る】殺人を犯すも少年法で固く守られることになる満(清水大登)と母・はつみ(田中美里)

同作は、社会派ミステリーの名手・小杉健治の同名小説を原作に、禁断の愛に翻弄(ほんろう)された家族の崩壊と再生を描く人間ドラマ。

■ 田中美里と田中美佐子が愛憎劇を繰り広げる!

田中美里が演じるのは、被害者の父・志方恭一郎(遠藤)と禁断の愛に落ちていく加害者の母・八巻はつみ。

デビュー作「あぐり」(1997年NHK総合ほか)のヒロイン役以後、さまざまな役を務めてきたが、清純イメージがいまだ失われていない田中美里。

今作では、そのイメージを一変させる、艶っぽい“殺人者の母”という難役に挑戦。また、遠藤と濃密に共演するのは初めてとなる。

一方、田中美佐子が演じるのは、志方の妻・雪子。遠藤との共演は多数あり、映画「ミックス」(2017年)以来、再びの夫婦役となる。今までも母親役の経験は多いが、“子を殺された母”というシリアスな役は初めて。実生活でも同世代の娘がいる田中美佐子が、これまで以上にリアリティーのある妻、そして母親を演じる。

■ 八巻はつみ役・田中美里コメント

オファーを頂いた時、すごく難しい役だけど、こんなにやりがいのある役はめったにないので絶対やりたいと思いました。

母親は何度も演じてきましたが、”殺人者となる子を持つ母”というのは初めてなので想像してもし尽くせず。

また禁断の愛に落ちる役というのも初めてで、単に艶っぽいというだけでなく、そういったシーンに葛藤や悲しみ、それこそ純粋さも入り混じったような感情も含めて表現しなければならないので、とても難しいと思っています。

遠藤さんとは19年ぶりの共演です。先日そのドラマを見返して、遠藤さんが多くを語らず憂いを目で表現していて、あらためて志方役にぴったりだと思いました。

田中美佐子さんとは初共演です。すごくナチュラルに繊細な部分まで表現される方なので間近で見て学びたいです。役柄上、少し先となりそうですが、一緒にお芝居する日が楽しみです!

■ 志方雪子役・田中美佐子コメント

オファー時、主演が遠藤憲一さんと聞いて、すぐ「やりたい!」と答えましたが、その後、企画書を読んでものすごい話だな、と。同世代の娘をもつ身としては“子を殺された母”なんて現実には絶対あってほしくないですね。

今までいろいろな役をやってきて“こんな人間、現実にはいないでしょ”という人物像でも、私は“世の中に絶対一人はいる”と信じて演じてきましたが、今回それが初めて揺らぐかもしれません。

私が思う遠藤憲一さんの一番の魅力は、気が弱いところ。若い頃は、前に出ることができないタイプで苦労されていて、だからこそ今、必死に自分を表現している姿がすごくすてきだなと思います。

田中美里さんとは、名前が一文字違い故、一緒にキャスティングされることはないかなと思っていたので、今回実現できてよかったです。

実は美里さんがご自身のラジオ番組で話した内容に対し「この前の(ラジオ)面白かったです」「ファンになりました」と、言われることが度々あり、それだけ人気のある方なので私は得をしていました。でも今回の脚本を読むと…この夏きっと演技上でバチバチあるかもですね(笑)。

■ 「それぞれの断崖」ストーリー

志方恭一郎(遠藤憲一)は、理不尽な会社の対応で、得意先の部長を裏切ってしまう。

やりきれない思いで帰宅すると、待っていたのは息子の訃報だった。14歳の恭介(渡邉蒼)が刺殺されたのだ。

警察やマスコミにアリバイを調べられ、恭介が死んだ時間によからぬ場所に出入りしていたと家族からも責められ、疑われる恭一郎。だが、事件は思わぬ展開を見せる。

恭介と同級生の少年・八巻満(清水大登)が捕まったのだ。年齢は13歳。少年法で固く守られ、14歳に満たない者に、犯した罪に見合う刑罰が下されることはない。その事実を知った志方が取った行動は…。

仕事人間だったことを非難され、息子殺しを疑われ、加害者の少年への怒りを爆発させたことで人でなし呼ばわりされる恭一郎。仕事を失い、友を失い、妻の雪子(田中美佐子)ら家族からも背を向けられた父親の生きる支えは、息子の無念を晴らすこと。

それは、大罪を犯しながら、少年法に守られている加害者の少年と、殺人者を育てた母親へ向けられた、激しい憎悪だった。

だが運命とは皮肉である。絶望の淵でもがく恭一郎が、自分と同じ痛みと悲しみを加害者の母親・八巻はつみ(田中美里)の中に見た時、加害者の母親もまた、孤独にもがき苦しんでいると気付き、気持ちは大きく揺らぐ。

血を吐くような思いを抱えた者同士、共に背負っている重い十字架から、一時の解放を求めてすがり、寄り添っていく。

破滅へと突き進み、暗い断崖へと落ちていく2人の許されぬ愛の行方は…。(ザテレビジョン

被害者の母親役を演じる田中美佐子