「俺ってすごいだろ?」そんな問いかけを男性からされたことはありませんか?

自己顕示欲」と呼ばれる“自分を大きくすごく見せたい願望”。この気持ちは、女性よりも男性のほうが強い傾向にあると言われています。

また恋愛でこの自己顕示欲が強い男性と関係を持つと、ちょっとやっかいなことも。今回は魅力と問題を抱える自己顕示欲の強い男性との恋愛について、解説していきます。

■「自己顕示欲」とは?

そもそも自己顕示欲という言葉の意味を、みなさんどう捉えているでしょうか?

心理学用語と思っている方もいるようですが、実は異なります。また承認欲求とは何がどうちがうのかも、解説していきます。

自己顕示欲とは?

自己承認欲求とは、一言で言えば「すごいと思われたい気持ち」とたとえられると思います。

心理学用語では「自己愛性パーソナリティ障害」と同一視されることも多いこのタイプ。
とにかく自分が大好きで、認められたい! すごいの理由は自分の能力でもいいですし、自分が作ったものや持っているものでもいい。 “アイツすごい”と思われたくて仕方がない人を指します。

似た感情として「承認欲求」がありますが、承認欲求が自己顕示欲と異なる点は、最終的には自分自身を受け入れてほしいという欲求の違いかもしれません。

キレイとか能力が高いという点で他者から受け入れたとしても、「だからアナタ自身を愛しているよ」という、パーソナリティそのものの承認がないと、願望が満たされない。どんなに褒められても、不安や孤独感が埋まることがない状態を指します。

◇なぜ「自己顕示欲」は高くなる?

自己承認欲求が高まる理由は主に2つありますので、それぞれ解説していきます。

☆幼少期の自己愛が満たされないまま今にいたる

人間は生まれてからはじめに、親の無償の愛を一心に受けます。泣いたりわめいたりすれば親が対応してくれる。そして自分自身に万能感を抱きます。

その後親とくっついたり離れたりして社会と関わりを持っていく段階で、一度出来上がった万能感を適切に変化させ、バランスのとれた自分を作り上げていきます。これが一般的な成長の過程といわれています。

しかし幼少期にこの万能感がうまく満たされないで成長すると、大人になっても自己愛が異常に強い万能感を抱き続け、自己顕示欲を強く持つ人になるといわれています。

☆自己否定を避けるためのよろい

自己承認欲求を強く求めるタイプがもっとも嫌うのが「否定」です。「それ間違ってるよ」「おかしくない?」「直したほうがいいよ」といった他者からの指摘は、本人のためを思っていても、とたんにこのタイプの調子を狂わせます。

彼らはこういった人からの指摘や苦言から逃げるために、自己承認欲求を高くして、よろいのように着込んで自分を守っているといわれています。

一見ただの自慢したがりかと思いきや、実は心理的に誤った認知が根本にある自己顕示欲。こうしてしっかりと意味や強まる理由を知ると、少し接し方も広がりを見せるかもしれません。

■「自己顕示欲」が高い男性の特徴5つ

自己顕示欲は女性よりもやや男性に多いと言われていますが、それには男女に求められがちな役割なども関係してくるのかもしれません。自己顕示欲が強い男性にはどのような性格や特徴があるのか、ここでは5つご紹介していきます。

◇「すごいでしょ?」という同意をよく求めてくる

自己顕示欲の強い男性は何かしたとき、無意識にまわりに「すごいでしょ?」といった同意を求めがちです。

たとえばデートですてきなお店に行ったとき、あなたは彼から「この店すごいっしょ?」と、同意を求められたことはありませんか?

こういうときは、お店を褒めると同時に、お店を選んだ彼の選定眼を褒めなくてはいけないのです。

◇SNS映えするモノが大好き

彼らにとって、「映える」ことは重要な行動理由です。

たとえばインスタ映えするお店や服装、アイテムに反応するタイプがいれば、文化系自己顕示欲の強い人は、アートや小説などのカルチャーに強いこだわりを持っていることも。

しかし“自分をすごそうに見せてくれるもの”が優先される点では、実際の行動がともなっていないことも多々あります。

たとえば「俺はアートが好き」と言いながら、アート系の情報に触れている気配がないとか。

◇LINEのテンションがいつもちがう

自己顕示欲が強い男性は、とにかく満たされているときとそうでないときでテンションがちがったりします。

LINEのやり取りをしても、気分がいいときはポンポンと軽快な返事が返ってくるときがあれば、一切既読スルーされることも……。それをただの気まぐれと済ませるか、それともおかしいと思うかはあなた次第です。

◇見えない部分のケアが雑

会社で飲み会などをするとき、自己顕示欲の強い男性は目立ち感謝されることの多い、幹事やリーダーをやりたがる傾向にあります。しかし彼らが求めるのは人に褒められることなので、裏方や事務的な役割を全うするのが苦手です。

飲み会の幹事を受けてお店を探すまではやったけど、出欠を取ったり実際の予約をしたりといったことは人まかせにしてしまうとか。司会進行や乾杯の音頭は取りたがるとか。

責任ある立場に立ちたがるのに、実際の行動が雑になりがちというのは、自己顕示欲の強い男性のひとつの特徴です。

◇自分は正しいという姿勢が強い

自分は正しいという強い思い込みを持つ人は、総じて自己顕示欲が強い傾向があると言います。これは前述した自己顕示欲が強くなる原因とも関連していますが、自己否定を避けるために「自分は正しい」「自分はすごい」という思い込みや欲求を強めていることがあげられます。

適度な自己顕示欲はブレない自分を持てることでプラスにも働きますが、強すぎると他人の意見を受け入れない人になってしまうことも。恋愛相手に選ぶかは見極めが大切です。

■「自己顕示欲」が高い男性の恋愛傾向

自己顕示欲が強い男性の特徴では、ややネガティブな側面を中心に解説をしました。でも多くの男性が「すごい」とは思われたいと思っているように、基本的には程度問題です。

またさきほどの特徴と照らし合わせると、彼らにもすてきな恋愛傾向がいくつかありますのでご紹介します。

◇記念日やサプライズ演出を大事にしてくれる

自己顕示欲が強い男性は記念日やサプライズ演出など、特別な日のもてなし方がうまい傾向にあります。

映えるからこそ気合が入るのですが、甘いひとときが過ごせるかも。そんな時間にはきちんと「すごい感動した! 最高! ありがとう!」と感謝と愛情を伝えてあげてください。

おしゃれで刺激的な関係性を楽しめる

自己顕示欲が強い人の多くは、自分をすごく見せようと努力しています。その結果、おしゃれな日常を過ごす人が多いのも特徴です。

また普段の行動パターンも小洒落た場所にいることもあり、そんな彼と付き合うと、刺激に満ちた恋愛関係が楽しめるかもしれません。

◇意識の高さがあなたの成長にもプラスに

自己顕示欲が強い人の中にも、努力しそれを叶えようとがんばるタイプと、口ばかりが先行するタイプがいます。前者と付き合うと、男性は常に高い目標に向かってがんばります。恋愛相手として選ぶと常に尊敬でき、あなた自身の学びにもつながるかもしれません。

とはいえ、行動のともなった人を見抜くのは一苦労。どうか好きの感情に揺さぶられず、冷静な目で彼を見極めましょう。

■「自己顕示欲」が高い男性を好きになった場合、気をつけること

自己顕示欲の高い男性にも、いい面と悪い面が隠されています。だからこそ、付き合う際には相性をきちんと見極め、そして彼らのツボを知ることが大切です。

彼らのような「自分がどう見えるか」に常に強い関心があるタイプと付き合うには、彼を持ち上げ、雑な部分をサポートし、支えられるタイプの女性が向いています。

しかし悲しいことに、自己顕示欲が強いタイプの男性は、自分の価値を高めてくれる“トロフィーワイフ”のような女性を好みがちです。

そのため同じく自己顕示欲が強かったり、承認欲求が高かったりする女性を選び、関係がうまくいかないということも多々あります。

また自己顕示欲の強いタイプと付き合うには、とにかく心から彼を称賛し、そして負けん気をくすぐり、否定しないことが重要です。1分に1回は「すごい!」を連発しよう……というのは極端ですが、褒めてくれない人に、男性は居心地の良さを感じません。

個人的には長く一緒にいるには疲れそうなタイプだと思うのですが、ツボを知れば扱いやすさはあるのかもしれません。

自己顕示欲は誰しも持っているもの

人間誰しも人から認められ、称賛されたいと思うものです。その度合いが強すぎると、今回のように心や人付き合いに“ゆがみ”が生じてしまう場合もあるというもの。

男性の心を受け止めるには、数回褒めたり、心を受け止めたりするだけでは意味がありません。1年3年5年と彼らに長期的に愛を注ぐことで「この人が居ないと俺はダメだ」と、心から認識させることができます。

あなたが今心に抱く彼は、こういった長期的な関係が築けそうでしょうか。人間は誰しも不完全な要素を持っています。

だからこそ、こういうタイプはオススメとか、辞めておいたほうがいいとかは一概には言えません。一方で恋愛感情に流されて、明らかな相性の間違いを犯してしまうのは避けたいところ。

自己顕示欲の強い男性はあなたにとって相性がよさそうか。ちょっと振り返り考えてみてください。

(おおしまりえ)

※画像はイメージです

「自己顕示欲」が高い男性の特徴