株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上孝志)は、自主企画調査「幼児教育・保育の無償化に関する意識調査」を実施しました。全国の16~79歳の男女1万803人を対象にしたインターネット調査で、幼児教育・保育の無償化に対する意見やその理由などを尋ねたものです。


【調査結果のポイント

  1. 保育無償化に賛成する人は約7割。未就学児と同居する人では、男女共に9割近くが賛成と回答
  2. 保育無償化に賛成する最も大きな理由は、「少子化対策として有効だと思うから」。ただし、未就学児と同居する人では「経済的な負担が減るから」が高くなりました。一方、保育無償化に反対する最も大きな理由は、「保育士の処遇改善を優先すべきだと思うから」でした
  3. 「幼児教育・保育の無償化で支払う必要のなくなった利用料」の分を何に使うか尋ねたところ、「子どものための貯金・資産運用」と答えた人の割合が最も高くなりました

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考察
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幼児教育・保育の無償化が10月より予定されています。幼稚園・保育所に通う3~5歳の子ども全員、および保育所に通う0~2歳の住民税非課税世帯の子どもの利用料が原則、無償化されます。

とりわけ保育については、保育士の処遇改善や待機児童問題がメディアを賑わせていますが、今回の調査結果では、約7割の人が無償化に「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答。実際に無償化の恩恵を受ける可能性がある、未就学児と同居する人では、男女共に9割が「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答しました。当事者世帯を中心に、保育無償化を支持する層が厚いことが示される結果となりました。

「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた人にその理由を尋ねたところ、全体では「少子化対策として有効だと思うから」の割合が最も高いものの、未就学児と同居する当事者世帯では「経済的な負担が減るから」が圧倒的に高くなりました。実際に無償化の恩恵を受ける人では、浮いた利用料の分を「子どものための貯金・資産運用」に回すと答えた人が最多。世帯年収による大きな差は見られないことから、現在の所得水準にかかわらず、将来のしかかる教育費・生活費に備える意識が強いことがうかがえます。

ただ、現状でも利用料は所得水準によって決められており、低所得世帯では利用料が抑えられていることが多いことから、無償化の恩恵を受けるのはむしろ高所得世帯だとの指摘があります。無償化が本当に子育て世帯の負担を軽減するのか、また子育て世帯の間の経済格差を是正するのか、今後の検証が待たれます。

また、親の経済的負担の軽減にとどまらず、働きたい親が安心して子どもを預けられるようになるには、保育の質の向上が不可欠であり、保育士の処遇改善などの施策も求められます。今回、保育無償化に「どちらかといえば反対」「反対」と答えた人の最も大きな理由は、「保育士の処遇改善を優先すべきだと思うから」であり、当事者世帯でもこの意見を支持する割合が最も高くなっています。無償化は当事者へのメリットが明確ではあるものの、幼児教育・保育の中長期的な質の向上に向けた取り組みについても検討する必要があるでしょう。

分析者:秦 さわみ(公共サービス事業部 ソーシャル事業推進部)


【調査に関するお問い合わせ先】
株式会社インテージリサーチ
公共サービス事業部 広報担当:秦(はた)
TEL:03-5295-2475
サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage-research.co.jp/contact/index.php/input


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調査結果の詳細
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※ 詳細については、資料編(https://www.intage-research.co.jp/lab/20190628.pdf、P.6~7)のデータもあわせてご覧ください。

保育無償化に「賛成」が約7割、未就学児のいる当事者では9割近くが賛成

全国の16~79歳1万803人に対し、保育の無償化に関する賛否を聞いたところ、全体で「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計が68.3%となり、7割に迫りました。家族形態別に見ると、未就学児と同居している男性では「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計が88.4%、女性では85.5%となり、恩恵を受ける可能性のある世帯が無償化を強く支持していることがわかります

【問】 「あなたは、認可保育所の無償化についてどのように感じますか(単一回答)。


賛成の理由は「少子化対策として有効」。当事者世帯は「経済的な負担が減る」

保育無償化に賛成する人にその理由を尋ねたところ、全体として最も割合が高かったのは「少子化対策として有効だと思うから」(29.8%)でした。ただし、家族形態別に見ると、未就学児と同居する人で「自分(または配偶者・パートナー)の経済的な負担が減るから」という理由が男女共に約6割に上り、ほかの家族形態と比べて圧倒的に高くなりました。経済的な余裕があるとはいえない、子育て世帯の懐事情がうかがえます。
一方で、保育無償化に反対する人にその理由を尋ねたところ、全体としては「保育士の処遇改善を優先すべきだと思うから」(27.9%)が最も高くなりました。未就学児と同居する人であっても、保育士の処遇改善を訴える声が最も多くなっています。未就学児と同居する人は、自分の子どもやその友人が実際に保育所に通っているなど、普段から保育の現場に接することが多いと考えられます。そのため、保育士の働き方改善に対する問題意識が高い人が多いのかもしれません。
また、全体として2番目に多かった反対の理由は「保育無償化の効果が実感しにくいから」(22.0%)。無償化が本当に子育て世帯の負担軽減につながるのか、また子育て世帯の間の経済格差を是正するのかという点について今後、検証していく必要があるでしょう。

【問】 その理由のうち、最も大きなものは何ですか(単一回答)。
(その他、挙げられた賛成の理由:自由回答)
  • 【賛成】手当など金銭でもらうより、(保育料の)無料の方が、(税金等のリソースが)ちゃんと子どもに使用されていると感じる
  • 【どちらかといえば賛成】若い世帯の経済的な負担が減るから
  • 【どちらかといえば賛成】そもそも子どもの教育費用が、日本は高すぎると思う
(その他、挙げられた反対の理由:自由回答)
  • 【反対】子どもがいない人たちに(とって)不平等だから
  • 【反対】保育料の一定の負担は必要だと考える
  • 【どちらかといえば反対】児童虐待防止など福祉政策を充実すべき


幼児教育・保育無償化で浮いたお金は「子どものための貯金・資産運用」に

未就学児と同居しており、その子どもが無償化の対象となる保育所または幼稚園に通っていると答えた人720人に対し、「保育無償化で支払う必要のなくなった利用料の分を何に使うか」を尋ねました。その結果、「子どものための貯金・資産運用」(48.2%)と答えた人の割合が最も高く、次いで「子どもの習い事」(39.6%)、「子どもの生活費」(31.5%)が高くなりました。世帯年収や居住する地域による差は見られませんでした。
現在の所得水準にかかわらず、幼児期以降にかかる教育費・生活費の負担を見越して貯蓄や資産運用を行う人が多いとみられ、子育て世帯における教育費・生活費の負担感が依然として高いことがうかがえます。


【問】 保育所・幼稚園等の無償化により、支払う必要がなくなった利用料の分は、何に使おうと考えていますか。主な用途を3つまで選んでください(複数回答、回答は3つまで)。


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【調査概要】
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調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象者:マイティモニター 全国16歳以上79歳までの男女個人
サンプル構成:平成27年国勢調査ベース(性別×年代別×居住エリア×未既婚)母集団準拠
設計数:10,803サンプル
調査期間:2019年3月25日(月)~3月27日(水)
調査内容:幼児教育・保育の無償化に対する意見とその理由、支払う必要がなくなる利用料の使途
調査実施機関:株式会社インテージリサーチ

株式会社インテージリサーチ】 http://www.intage-research.co.jp/
株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上孝志)は、インテージグループの一員として、社会・公共領域をテーマとした調査研究、公的統計調査の受託や民間の市場調査のデータ収集を行っています。

配信元企業:株式会社インテージホールディングス

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