鉄道の信号機は道路と同じく3色ですが、その意味は必ずしも同じではなく、なかには4灯以上の信号機も。列車同士の衝突事故を起こさないよう、あるルールを守るための指示を運転士に伝えています。

4灯以上の信号機も

道路に信号機があるように、鉄道にも信号機があります。現在の鉄道信号機は、赤、黄、青(緑)の3色を使うタイプが主流。使っている色は道路の自動車向け信号機と同じですが、その色の意味は、必ずしも同じとはいえません。

鉄道信号機の赤は「停止」で、「この信号機を超えて先に進んではならない」という意味。青(緑)は「進行」を示しており、「(その線路で定められている最高速度の範囲内で)信号機の先に進むことができる」という意味です。

一方、黄は「注意」です。道路の自動車向け信号機が表示する黄信号は「所定の停止位置を超えて進んではならない(所定の停止位置に近付いていて、その位置に安全に停止できない場合を除く)」ですが、鉄道信号機の「注意」は「(最高速度に一定の制限を加えた)遅い速度で進むことができる」という意味になります。

このほか、鉄道の信号機には「警戒」「減速」「高速進行」という表示もあります。しかし、「停止」「注意」「進行」とあわせて最大6つの表示があることになり、3色3灯の信号機で表示するのは困難です。

そのため、「警戒」「減速」「高速進行」を示す必要がある信号機は、黄と青(緑)を増やした4~6灯の信号機を使用。「警戒」は黄をふたつ、「減速」は黄と青(緑)を組み合わせて表示します。いずれも「注意」と同じで速度を制限するもの。所定の速度より遅く走ることを条件に先へ進めます。

それぞれの信号が示す速度は鉄道事業者によって異なりますが、速度の遅い順に「停止」→「警戒」→「注意」→「減速」→「進行」になります。

おもな目的は「車間距離」の確保

高速進行」は「130km/hを超えて進んでもよい」という意味です。新幹線を除く日本の鉄道路線(在来線)は、かつて最高速度が130km/h以下(青函トンネル140km/h)でしたが、京成電鉄成田スカイアクセスなど最高速160km/hの鉄道路線が整備されたため、新たに「高速進行」という表示が定められました。

このように、鉄道の信号機は速度に関し、きめ細かな表示を行っています。これは列車同士の衝突事故を防ぐためです。

鉄道路線は通常、一定の間隔で細かく区切られています。この細かく区切った区間を「閉そく区間」といい、「ひとつの閉そく区間には1本の列車しか入れない」というルールを設け、安全な「車間距離」を保つようにしているのです。

そのため、閉そく区間の境界付近に「閉そく信号機」を設置。たとえば、次の閉そく区間に列車がいる場合は赤を表示して列車を停止させ、ふたつ先の閉そく区間を列車が走っているときは黄色の「注意」を示して速度を落とさせるというように、各列車の速度を調整することで、「1閉そく1列車」になるようにしているのです。

それぞれの閉そく区間には、たとえば「第二閉そく」などといった番号が付けられており、運転士は各区間の閉そく信号機の表示を指さししながら「第二閉そく進行」と声を出して表示内容を確認し、列車を走らせたり停止させたりします。番号を省略して、単に「進行」「停止」と言う場合もあります。

なお、閉そく信号機のほかにも、駅など列車が発着するポイントに「出発信号機」や「場内信号機」などが設置されていて、出発や進入の可否などを示します。また、200km/h以上の高速運転を行う新幹線を中心に、一部の路線では「車内信号」を導入。運転士は車両の外にある信号機ではなく、運転室内に設置された信号表示装置を見て、列車の速度を調節します。

【図】鉄道信号機「色の組み合わせ」と意味

線路の脇や上には信号機が設置されている(2019年6月、草町義和撮影)。