◎まるで下駄の雪…イラ立つ金正恩委員長にすがりつく文在寅大統領の『背水外交』


 進展の見えない米朝協議をめぐり、北朝鮮がイラ立ちを強めている。朝鮮中央通信が27日、北朝鮮外務省の米国担当局長の談話を発表。

「米国が今のように腕を組んで座って待つつもりなら、結果を出そうとしても時間的な余裕は多くない」と米国のトランプ政権に警告を発した。金正恩朝鮮労働党委員長が4月の最高人民会議(国会に相当)で、「年末までは忍耐強く米国の勇気ある決断を待つ」と演説したのを念頭に、揺さぶりをかけているのだ。金正恩委員長トランプ大統領の「美しい手紙」のやり取りでは満足のいく結果が得られなかったようだ。

 さらに、北朝鮮が矛先を向けたのが韓国の文在寅政権だった。米朝協議をめぐる韓国の役割について、「口出しする問題ではまったくない」「我々が米国と連絡する場合は朝米のルートを使えばいいし、協議するなら朝米が直接向き合えばいい。南朝鮮(韓国)を通すことはまったくない」と強調。南北首脳会談の開催をテコに米朝協議を進めようとする文在寅政権の方針を強く牽制した格好だ。

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 「2月にハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が物別れになって以降、米朝の仲介役を自任する文在寅大統領はたびたび南北首脳会談の開催を打診していました。しかし、米朝協議が難航したことで文在寅政権は米朝両国の不信を買う結果になった。伝統的な友好国である中国の習近平国家主席が6月中旬に訪朝し、中朝首脳会談が開かれたことで、金正恩委員長の軸足は中国にかなり傾いてしまっています」(韓国外交関係者)

 そうした情勢の変化を把握していないわけがないが、文在寅大統領は米朝関係への関与をあきらめるそぶりはない。国内外の7通信社による書面インタビューで26日、「金正恩委員長による非核化の意志を信じる」「(金正恩委員長は)非常に決断力と柔軟性のある人物だ」と高く評価。

朝鮮半島平和プロセスはすでにかなり進展した。朝米交渉の再開を通じて次の段階に進むだろう」と楽観的な見通しを示していた。

 政権発足当初の期待値が高かっただけに、拡大する格差社会への対応に四苦八苦する文在寅政権への不満が韓国国内で高まっている。北朝鮮問題は政権浮揚の有効策だけに、引くに引けない状況に陥っているのだろうか。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

自称「米朝の仲介役」に躍起の韓国大統領、北朝鮮は「口出しする問題ではまったくない」