メイン画像

九州北部で大雨になっています。今後、昨年の西日本豪雨の時のように、九州から近畿を中心に発達した雨雲がかかり続ける恐れがあります。

九州北部 発達した雨雲かかり続ける 熊本すでに大雨

画像A

30日(日)、九州北部に発達した雨雲がかかっています。熊本県南阿蘇村では、降り始めからの雨量が250ミリを超え、阿蘇市乙姫では200ミリを超えています。熊本市では、明け方から朝にかけて1時間に42.0ミリの激しい雨が降り、降り始めからの雨量は150ミリを超えています(30日午後2時現在)。熊本県では、すでに地盤が緩んでいる所や河川の水位が上がっている所があります。
【大雨になっている原因】梅雨前線が九州や本州付近に停滞しています。前線に向かって、暖かく湿った空気が、大陸から東シナ海を通るルートと、太平洋高気圧の周辺を回るルートの2方向から流れ込んでいます。この空気が合流する九州付近で、線状に雲が発達し、同じような場所にかかり続けています。

今後の見通し

この先、前線の南北への動きは、本州付近でゆっくりです。4日(木)頃にかけて、梅雨前線北側の寒気の押し出しが強まるでしょう。前線に向かって、南西また南から暖かく湿った空気の流れ込みが続く見込みです。本州付近で、寒気と暖気とのぶつかり合いが強くなります。このような場合も、線状に発達した雨雲が発生し、同じような場所にかかり続けることで、大雨の確率が高くなります。
昨年2018年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)は、九州から近畿を中心に発達した雨雲がかかり続け、大雨になりました。広い範囲で、甚大な被害が発生したことは、記憶に新しいことでしょう。本州付近に梅雨前線が停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が、数日にわたって流れ込み続けました。

今のところの予想では、九州北部から四国、近畿の太平洋側、東海に、1日(月)にかけて、発達した雨雲がかかります。
2日(火)、梅雨前線は、やや南下するでしょう。九州北部の雨は、一旦、小康状態となる見込みです。地盤が緩む所がありますので、土砂災害に警戒を続ける必要があります。雨の降り方に注意が必要なのは、九州南部、四国や近畿の太平洋の沿岸部が中心になるでしょう。
3日(水)、前線がやや北上し、九州北部では、30日に大雨となっている所より北側の長崎や佐賀、福岡に、発達した雨雲がかかる見込みです。
中国地方では山陽を中心に、近畿の日本海側でも、4日(木)にかけて急に滝のような雨が降る恐れがあります。日が暮れてからの大雨になる可能性があります。暗くなってからの避難は危険な場合がありますので、早めに避難するということも考えておいて下さい。4日は、九州南部や近畿の太平洋側、東海、関東でも、局地的に雨が激しく降るでしょう。
5日(金)から6日(土)にかけても、九州から北陸、東海に発達した雨雲がかかる所がある見込みです。
雨雲がかかる所、時間帯は、変わることがあります。最新の気象情報を確認して下さい。

九州~近畿 土砂災害などに厳重警戒

特に九州では、降り始めからの雨量が平年7月のひと月分、またはそれを超す雨量になる恐れがあります。九州だけでなく、発達した雨雲がかかれば、大雨になる恐れがあります。九州から近畿を中心に、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要です。
自治体から、避難勧告(警戒レベル4)や避難準備・高齢者等避難開始(警戒レベル3)等が発令された際は、速やかに避難行動をとって下さい。一方で、多くの場合、防災気象情報は、自治体が発令する避難勧告より先に発表されます。自治体から避難勧告等が発令されていなくても、危険度分布や河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をして下さい。自分は大丈夫、と思わないで下さい。

週間 九州~近畿 大雨が長く続く恐れ 厳重に警戒