夢のワイヤレス充電の実用化が一歩近づいたようだ。Ossiaは同社のCotaワイヤレスパワーシステムがFCC(米連邦通信委員会)の認証を取得した、と発表した。

Cotaは無線トランスミッターとチップを活用したシステムで、ケーブルにつないだりワイヤレス充電パッドに置いたりしなくても端末類を充電できるというもので、商品化されれば私たちのデジタルライフを大きく変えることになりそうだ。

・安全性にお墨付き

Ossiaの技術は以前Techableでも紹介したが、無線トランスミッターからチップを搭載した端末に電力を無線で送るというもの。つまり、例えばスマホ側にチップを搭載していれば、無線トランスミッターからの電気を受け取って完全ワイヤレスで充電できるのだ。

Ossiaはすでに70以上の特許を取得するなど技術を確立している。ただし、米国内で通信機器を販売するには、通信や電波利用を管理するFCCの認証を取得する必要があり、今回大きな一歩となったのは間違いない。

FCCの認証取得は、このシステムが人体に影響を与えない、ということを確認したということになる。

・あらゆるところで活用できる

スマホを“空中充電”できるという例を挙げたが、充電対象となるのはスマホだけでないのがこの技術の注目すべき点だろう。

家庭ではスマートテレビやロボット掃除機、スマート照明、小売店では精算端末や防犯カメラなど、あらゆるデジタル機器が範疇に入る。これらがケーブルにつなぐことなくワイヤレスで充電されるとなればかなりインパクトはある。

今回FCCから認証を得たのは2.4GHzトランスミッターだが、同社はより大きな電力が送れる5.8GHzトランスミッターを開発していて、こちらでの認証取得も目指すとのこと。

デバイスメーカーそして消費者のどちらも大きな恩恵を受けることになりそうなこの技術は2020年の展開が予定されている。

Ossia

(文・Mizoguchi)

Ossiaの「何もしなくてもスマホが充電される」技術がFCCの認証を取得