ユニクロ」などで知られる株式会社ファーストリテイリングとUN Women(国連女性機関)は6月28日、アパレル産業における女性の地位向上を目的としたグローバルパートナーシップを締結したと発表した。

UN Womenとのグローバルパートナーシップ締結は、アジアのアパレル企業として、ファーストリテイリングが初めてとなる。

アジアの縫製産業を取り巻く事情

UN Womenによれば、アジアを中心とした縫製産業では、8割の従業員が女性であるにもかかわらず、彼女たちが指導的立場に就くということは極めて稀であり、男女間格差や賃金格差、採用差別などが、女性のキャリア形成において大きな障壁となっているという。

一方で、時代に伴い機械化や自動化といった産業構造の変化が進んでいる中、このような変化に柔軟に対応ができる、新たなスキルを持つ人材へのニーズが高まっている。

このような状況を受け、ファーストリテイリング2015年2016年にかけ、バングラデシュインドネシアにおける取引先縫製工場にて、基礎教育とライフスキル習得のためのプログラムを提供するプロジェクトFactory Worker Empowerment Project」を展開するなど、自社のサプライチェーンで働く人々が、安心安全に働ける環境づくりの確保に尽力してきた。

UN Womenは、世界各国でジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメント推進のために様々な事業を展開しており、繊維業界においても、バングラデシュと中国において縫製業従事者に向けてトレーニングを実施するなどの実績を持つ。

キャリア形成支援や管理職トレーニングのプログラム

今回締結されたグローバルパートナーシップでは、ファーストリテイリング2019年2021年の2年間で160万米ドル(約1億7,000万円)を拠出する予定だ。

具体的にはUN Womenと共同で、同社のアジア主要取引先縫製工場で働く女性や、グループ内で活躍する女性などを対象に、キャリア形成支援プログラムや管理職トレーニングプログラムなどを実施する。

国内外で働く多様な価値観を持つ従業員が、安心安全な環境下で十分に能力が発揮できるよう、企業風土の醸成も目指す。

同社の代表取締役会長兼社長・柳井正氏はプレスリリースにて、「ファーストリテイリンググループ内および私たちのビジネスに携わるすべての女性が、社会で広く活躍できる環境づくりに取り組んでいきます」と表明。

UN Women事務局長のプムズィレ・ムランボ=ヌクカ氏は、昇進機会がほとんどない低賃金の仕事と言われる縫製業において、今回のパートナーシップは「変革を促す重要な一歩」だと語っている。

女性のキャリア形成に焦点

今回の共同プロジェクトでは、女性管理職の育成、新たなスキル習得機会の提供、そしてジェンダー意識の改革の3つを柱とし、支援プログラムを展開していく予定。

縫製産業における女性のキャリア形成に焦点を当てることで、長期的には工場周辺のコミュニティ活性化を促進し、サプライチェーン全体の持続可能性を高めることを目指す。

ファーストリテイリング、国連女性機関と女性のキャリア形成支援で提携。2年間で約1億7000万円を拠出予定