公開から約1か月、その炎はさらなる勢いを増すばかり――! 去る6月23日(日)、イオンシネマ海老名にて映画「プロメア」のオーディオコメンタリー上映が開催されました。

「プロメア」スタッフオーディオコメンタリー上映より

壇上に最初に上がったのは今回のオーディオコメンタリー上映を実現したイオンシネマ海老名の谷口支配人。「うちで(「プロメアを」)THXの上映を開始したのが公開3週目(6月8日)だったんですが、そのときに「プロメア」のスタッフがお忍びで来てくださったんです。そのときにお話をする機会がありまして。何かおもしろいことができたら良いなと思っていたら『コメンタリー上映ができたら良いんじゃないか』という話がのぼりまして。それだ! と思ってその夜に企画書をつくったんです。その週の金曜日ごろに『できそうかも』という話を聞いて、土曜日に本決まりになったんです」と今回の企画の経緯を語ってくれました。

やがて本日のゲストが登壇。今石洋之監督と大塚雅彦副監督、そしてキャラクターデザインのコヤマシゲト、クリエイティブディレクターの若林広海の4人が登場しました。なんと4人が座る席は劇場の客席のど真ん中(パイプ椅子!)。お客さんといっしょに映画を見ながら、マイクを使ってコメントをする、なんなら劇場内を移動しても可というフリースタイルなコメンタリーになりました。

上映前は「まだ画面を見ちゃうんですよね。劇場の大きな画面を見ているだけで感動してしまう。はたして2時間しゃべり続けていられるのか……。全カット、ここはCG、ここは作画と言っていけば2時間話がしゃべり続けられるかも」と言っていた今石監督も、本編が始まると饒舌に。カットの担当作画マンの紹介をしたり、美術のでほぎゃらりーさんのお仕事を称えたり、音楽の澤野弘之さんの楽曲について語ったりと実に話題は豊富。

「(コヤマさん、若林さんに向かって)ニューヨークの消防署にロケハンに行ったんだよね?」(大塚)

「音効(音響効果)さんにも消防関係の音や、アラーム音などはアメリカの消防隊の音を加工してもらっています」(若林)

「火事の色や氷の色をいちいちコヤマさんにお願いして、色を調整してもらっていましたね」(今石)

「どこまでやれば終わるのか全然わからなかったですね」(コヤマ)

「いやいや、公開すれば終わりです」(今石)

上映が始まる前の「NO MORE 映画泥棒」の映像から、最後のスタッフクレジットロールまで、ほぼ4人がしゃべりっぱなしの111分+α。THXの豪華な音響のボリュームを絞って、スタッフの声をフィーチャーするという豪華すぎる音響設備の使い方も含めて、まさに過去例に見ない、濃密かつ貴重なイベントとなりました。(WebNewtype・【取材・文:志田英邦】)

「プロメア」スタッフオーディオコメンタリー上映より