2018年6月3日(日)、10日(日)と2週にわたって放送された「ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側」(フジテレビ系)が、「第45回「放送文化基金賞」放送文化基金賞」番組部門・テレビドキュメンタリー番組の優秀賞を受賞し、7月2日に都内で行われた贈呈式に山田あかねプロデューサーと撮影を担当した谷茂岡稔氏が出席した。

【写真を見る】「第45回放送文化基金賞」を贈呈された山田あかねプロデューサー(写真左)と谷茂岡稔氏

「放送文化基金賞」は、視聴者に感銘を与え、放送文化の発展と向上に寄与した優れた放送番組や放送文化、放送技術の分野で業績を残した個人・グループに贈られる賞。今回は279件の応募、推薦があり、厳正な審査の結果、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つの部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16番組と、演技賞や企画賞など個人6件、さらに個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件が決まった。

「ザ・ノンフィクション―」は、広島に本部を置く動物保護団体「犬猫みなしご救援隊」中谷百里代表の活動に密着。各地で起こっている犬や猫が好きで飼い始めたが、不妊去勢手術をしなかったために世話ができないほど増やしてしまう「多頭飼育崩壊」の問題に取り組んでいる姿を追った。

ペットブームの陰で年間6万匹以上が殺処分されており、その活動はこれらの犬猫を救うだけではなく、「多頭飼育崩壊」のすさまじい現場にまで踏み込んでいる。

今回の受賞は、その現場の思わず目を背けるような映像を見せることで、現代における貧困と孤立を余すことなく伝えたことが評価された。

■ 山田あかねプロデューサー コメント

2011年の震災以降、犬と猫の命をテーマにドキュメンタリーを撮ってきました。犬猫ものに対しては、どこか軽く見られていると思っています。でも、実は犬と猫を撮ることは、人を撮ることと同じなのです。

今回取材したのは、一人で100匹もの犬や猫を飼って、どうしようもなくなった人たちでした。なぜそんなことになるかと言えば、頼れる人がなく、最後の支えとして犬や猫を飼うからなのです。

犬や猫は人を差別せず、裏切らない。そんな現場で感じたのは、飼い主の圧倒的な、社会からの孤立でした。人間にとって、一番身近な犬と猫には、人の抱える問題がダイレクトに反映されます。だから犬と猫を撮ることは人を撮ることと同じなのです。

犬猫ものに賞をくださって、ありがとうございました。(ザテレビジョン

「多頭飼育崩壊」の問題に取り組んでいる動物保護団体「犬猫みなしご救援隊」中谷百里代表